テクノロジーを活用した救急医療隊員の実践的な訓練
北西地域救急医療センター (NWRPCP) は、シミュレーション実習室での救急医療隊員のパフォーマンスを文書化するために、Axisカメラ、双方向スピーカー、およびAXIS Camera Station Proを導入しています。ビデオレビューは、コアコンピテンシー試験と評価者間の一貫性の向上に役立ちます。
オンタリオ州の救急医療隊員の訓練と免許取得
カナダのオンタリオ州では、保健省が州で雇用されている救急医療隊員の認定と訓練を監督しています。この傘下において、EMS (緊急医療サービス) と地域の病院は、救急医療隊員が病院に搬送される前の患者に質の高いケアを提供できるよう協力しています。オンタリオ州サンダーベイでは、北西地域救急医療プログラム (NWRPCP) 教育＆研修センターを通じて、共同作業が行われています。サンダーベイ地域保健科学センターと連携しているこのホストプログラムは、オンタリオ州北西部に配属されている550名の救急医療隊員に監督、委任、研修、認定を提供しています。
NWRPCPの運用コーディネーターであるポール・スターキー氏は、「認定プログラムを卒業後、救急医療隊員は一連の評価を通過し、認定を取得します」と説明します。「初期認定に加えて、救急医療隊員がスキルセットを維持して新しい手順や医療指示を常に把握できるように、当センターは継続的な医学教育を提供しています。」
現実世界における緊急事態のシミュレーション
NWRPCPは新しい施設 (複数の治療室を備えた旧理学療法オフィス) に移転した際に、評価プロセスにカメラとオーディオ技術の導入を決定しました。「私たちは、救急医療隊員が直面する可能性のあるさまざまな病院搬送前の緊急事態をシミュレーションする、7つのステーションからなる臨床検査プロセスを実行しています」と、スターキー氏は述べます。「これらのシミュレーションの範囲は、心停止患者から骨折や裂傷、呼吸器や糖尿病の重大な局面、さらには後期分娩患者まで多岐にわたります。」
他の州のパートナーは、パフォーマンスを記録するためのビデオカメラを備えた評価実習室を設立しました。スターキー氏は、その設定をNWRPCPに反映させたいと考えていました。彼は、テクノロジーソリューションプロバイダーでAxisソリューションゴールドパートナーでもある、TELECO社にソリューションの設計を依頼しました。
「録画時に死角ができないように、各診察室の角に2台のAxisの広角カメラを設置しました」と、TELECO社でプロジェクトマネージャーを務めるリチャード・マーティン氏は語ります。「マイク付きのAxis天井スピーカーを追加し、ガラス越しに試験を監督しているインストラクターが、コマンドセンターで見ている学生や他の臨床医とコミュニケーションが取れるようにしました。」
コマンドセンターでは、2台の大型モニターが各部屋のカメラのライブビューを表示するため、臨床教育スタッフは7つのセッションすべてを同時に監視したり、特定のカメラのビューを拡大して詳細な検査を行ったりすることができます。AXIS Camera Station Proビデオ管理ソフトウェアは、ソリューションの基礎となるソフトウェアを提供します。
評価の一貫性の確保
「以前の場所では、臨時の診察室を作るために、スタッフにオフィスから一時的に出てもらう必要がありました」と、スターキー氏は説明します。「そして、私たちはこれらのセッションの録画もしていませんでした。QA (品質保証) は本当に遅れていました。」
NWRPCPの臨床インストラクターは、新しい技術強化施設でリアルタイムで検査にコメントしたり、品質保証のためにビデオと音声をレビューしたりできます。「救急医療隊員のパフォーマンスをモニターするだけでなく、評価者のパフォーマンスもモニターして、常に評価ガイドラインに従っているかどうかを確認します」と、Paul Starkey氏は述べます。
生徒に対する評価者のスコアが疑わしいと思われる場合は、コマンドセンターの臨床医はそれを即座にレビューし、シミュレーションの合間に評価担当のインストラクターと話し合って修正を行うことができます。「以前は、提出された文書を最後に確認することができましたが、スコアリングが正確で適切かどうかを再確認することはできませんでした」と、Starkey氏は述べます。
シミュレーションを次のレベルへ
シミュレーション体験にさらなるリアリティをもたらすために、NWRPCPは街のシーン、寝室やリビングルーム、救急車の内部など、場所の感覚を演出する画像を検査室の壁に投影します。
「ベテラン臨床医や試験に参加した救急医療隊員から多くの肯定的なフィードバックをもらいました」と、Starkey氏は力説します。「彼らは、この設定が非常にモダンでプロフェッショナルに見えるとコメントしています。」
NWRPCPは新技術を導入したことで、研修と認定スケジュールを大幅に延長することができました。「専用のスペースとテクノロジーを備えることで、より効率的になりました」と、Starkey氏は述べます。
新しい施設に移転する前は、NWRPCPは年間3～4回の研修セッションを実施していました。現在では、1日に2 回、最大4日間連続して、7人の救急医療隊員の候補者を同時に評価することができます。Starkey氏は次のように述べています。「これは、プログラム開始前と比べて、より多くの訓練を受けた救急医療隊員が地域社会を支援できることを意味します。」
「カメラと音声システムにより、評価と品質保証が確実に容易になりました」と、Starkey氏は述べます。「私たちが検討している唯一のアップグレードは、試験室の生徒とインストラクター間のコミュニケーションをさらに促進するために、ブルートゥース接続を追加することです。」
Axisのテクノロジーをシミュレーションルームとコマンドセンターに導入することで、救急医療隊員の認定と評価者の採点基準の一貫性を維持できます。逸脱にフラグを立て、リアルタイムで修正することもできます。
模擬訓練を広範なコミュニティに拡大
NWRPCP教育＆研修センターは、救急医療隊員の認定に加えて、サンダーベイ地域向けの傷害予防教育も提供しています。「私たちは、サンダーベイ地域のトラウマプログラムと連携し、産業労働者、同地域にある学校の学生、その他の地域にある機関の人々に怪我を避ける方法を教えています」と、Starkey氏は説明します。「医師向けの高度外傷救命処置コースも運営しています。」
NWRPCPのスタッフは、利害関係者が学習しようとしている具体的な内容に応じて、さまざまな診察室で小規模のプレゼンを行います。「学校の看護師や研修に来た地元の機関と話しても、私たちの体制とプログラムについて肯定的なフィードバックしか得られませんでした」と、Starkey氏は報告します。
検査基準の改善に向けて地域のパートナーと協力
NWRPCPは、オンタリオ州で救急医療隊員の教育と認定を担当する7つの州立病院のうちの1つです。「現在、州のパートナーと協力し、初期認証プロセスをより標準化する方法を模索しています」と、Starkey氏は述べます。「パートナー間でビデオ録画を比較することは、救急医療隊員と評価者のパフォーマンスを向上させる研修プロセスを構築するための第一歩です。」
さらに、このコラボレーションにより、テクノロジーに遅れを取っているパートナーが、試験プロセスを改善するのに役立つ、新しいオーディオ ビデオ テクノロジーで施設を近代化できることをStarkey氏は期待しています。
