UITP Global Public Transport Summit 2023を振り返る

最近私は、スペインのバルセロナで開催された公共交通分野の最も権威あるイベントであるUITP Global Public Transport Summitに、同僚と共に参加しました。同サミットは、持続可能な交通に特化した世界最大のイベントであり、あらゆる交通機関関係者、公共交通当局、公共交通事業者が集まりました。

今年で64回目を迎えたUITP Global Public Transport Summitは、いくつもの新記録を打ち立てています。423人の講演者が登壇して87のセッションが行われ、41か国から337社が出展し、17,000人以上が来場しました。まさに世界中の公共交通が勢揃いするため、この分野における至上命題やトレンドを知るには理想的なイベントです。

公共交通業界におけるビデオアナリティクスの需要の拡大を目の当たりにして、同僚と私は、交通の未来を形作る最新のテクノロジーやソリューションに関する情報の収集に努めました。また、世界中から来場した顧客やパートナーとの有意義な会話を通じて、現在注目されている最も重要な課題やニーズを知ることができました。

 

持続可能性が至上命題である一方、デジタル化による課題も

公共交通分野の全体的なトレンドとして、持続可能性、温室効果ガス排出量の削減、よりクリーンな環境作りに貢献する低騒音の電動バスが注目されており、同時に、電気自動車の増加に伴うインフラの課題、特に定期的な充電の必要性についての話題が目立ちました。今回のイベントでは、自動運転車の存在感も増しており、デジタル化の進展に伴い、サイバーセキュリティへの注目度も高まっています。

 

AIアナリティクスにおけるデータの収集と利用

公共交通分野におけるもう1つの明確なトレンドとして、人工知能 (AI) を利用したアナリティクスと、ビデオなどの各種センサーからのデータを収集、解析して、実用的な洞察を生成する能力が挙げられます。

公共交通分野におけるアナリティクスの世界では、重要なセンサーの役割としての監視カメラへの依存度が高まっています。たとえば、公共交通事業者は、駅、停留所、車内における乗客、車椅子、自転車、ベビーカーの占有率を推定する目的で、アナリティクスを利用することができます。このような情報に基づいて、乗客の乗降管理や、サービスの更新計画をより的確に行うことができます。アナリティクスの潜在的な用途は、ほぼ無限に存在します。

 

安全性、効率性、乗客の体験 : Axisのパートナーが示す可能性

嬉しいことに、欧州、中東、アフリカに本拠を置くAxisのパートナー各社による、Axisのテクノロジーをベースとする公共交通向けソリューションの展示を非常に多く見ることができました。出展された各ソリューションは、乗客、スタッフ、資産のセキュリティと安全を確保する手段となるだけでなく、業務効率の向上、さらには、全体的なサービス提供や乗客の満足度の改善にもつながります。

Axisで公共交通分野のセグメントデヴェロップメントマネージャーを務める同僚のJan Engelschaltは、この機会を利用して、Axisのテクノロジーを採用しているパートナー各社と語り合い、公共交通業界向けの最新のソリューションについて、詳しい情報を入手しました。詳細については、以下のビデオをご覧ください。

次回以降のUITP Global Public Transport Summitが、今から楽しみです。

Linda MagnertoftJan Engelschalt が、公共交通分野における最新のトレンドと情報を振り返り、公共交通の安全性、業務効率、乗客の顧客体験の向上を図り、メリットを得る上で、テクノロジーがいかに役立つかについて考察しています。
Observit は、最小限の車載ハードウェアによるエッジコンピューティングを利用するビデオ監視アプリケーションの利点について、また、車両所有者がモバイル監視を通じていかに総所有コストを低減できるかについて、概要を紹介しています。
Awaait は、公共交通機関における業務効率の向上と、増加する無賃乗車の防止において、AIアナリティクスがいかに役立つかを紹介しています。
iMotion analytics は、ビデオアナリティクスにより、人流解析をし、オペレーターの意思決定やリアルタイムアラートで業務に役立てることを説明しています。
Jan Engelschalt は、ビデオ監視とカメラのテクノロジーの進歩について概説し、公共交通分野における安全とセキュリティの確保、業務効率の向上、乗客サービスの拡充において、ビデオ、センサー、アナリティクスがいかに役立つかを説明しています。