次のセキュリティシステムの購入:最適な投資のための5つのステップ

どのセキュリティシステムを購入するかを判断するには、慎重な考察が必要です。セキュリティシステムは、5年以上にわたって使用される可能性があります。関連するすべての要因を最初から比較評価すれば、長期的に相当なコストの節約と、投資利益率 (ROI) の向上が期待できます。

これは大変な作業のように思えるかもしれませんが、投資を最大限に活用するために利用できる5つの簡単なステップがあります。これらのステップを順に実行することで、ニーズに合ったセキュリティシステムを見極めると同時に、投資を最適化することができます。

 

ステップ1:希望する付加価値に応じたカメラの選択

最初のステップとして、当然と思えるかもしれませんが、「なぜカメラを購入するのか?」を考えてみましょう。デバイスの価格や特徴は重要な検討事項ですが、各デバイスのさまざまな機能の価値を品定めするよりも、まず、カメラに何を求めるかを明らかにすることが重要です。

候補として選択したカメラが、要求される成果を上げるか、あるいは、必要とされる証拠を提供できるかを明確に判定することが重要です。たとえば、セキュリティシステムの導入目的は、小売環境における窃盗や不正行為に対処し、利益を保護することでしょうか? 工場における生産活動の最適化とダウンタイムの回避が目的ですか? それとも、公共交通機関における職員と乗客の安全とセキュリティの確保でしょうか?

セキュリティシステムの導入は、セキュリティの強化から事業価値の創出まで、さまざまな形で企業に貢献する可能性があります。システムを購入する理由を明確にし、候補を絞ることは、投資の最適化に向けた重要な最初の一歩です。

 

ステップ2:システムの他の部分に対するデバイスの影響を計算

次に、カメラの選択がシステムの他の部分に与える影響を明らかにする必要があります。この計算の要がストレージであることは、言うまでもありません。安価なカメラは魅力的に思えますが、圧縮テクノロジーが限定的で、ビットレートを低下させて必要な帯域幅やストレージ容量を減らすだけであれば、初期費用をいくら節約できたとしても、高品質な映像が得られず、システムを導入する本来の目的が果たされません。より高機能なカメラであれば、初期費用は高額かもしれませんが、関連性の高いフォレンジック情報をフル解像度、フルフレームレートで保存しながら、必要なストレージ容量がはるかに少ない、インテリジェントなアルゴリズムを搭載していると考えられます。そして結果的に、何年にもわたるストレージコストの削減によって、初期費用が回収されます。

ただし、この段階で計算に入れるべき要素は、ストレージ容量やコストだけではありません。導入の容易さについても考える必要があります。つまり、デバイスの設定やシステムに必要なコンポーネントの追加を迅速に行えなければなりません。

特定のカメラモデルを選択するにあたり、目標を満たすセキュリティシステムに必要な各種のアクセサリーについても考えてみる価値があります。たとえば、選択したカメラを設置するのに追加のアクセサリーが必要な場合、導入作業に少なからぬ影響が生じ、当初予想していなかった時間やコストが発生する可能性があります。設置当日になって初めてこの事実に気付けば、プロジェクト全体が遅れる重大なリスクがあります。セキュリティシステムへの投資を最適化するには、デバイス本体だけでなく、必要なコストを全体的に把握することが重要です。

 

ステップ3:システムの運用に必要なコストの概算

「システムの稼働後はどうなるだろうか?」を考えることも重要です。このステップは、往々にして見落とされがちです。システムの運用コストを事業経営上の必然的な費用として受け入れる企業もあるでしょう。また、他部門の予算で吸収できるため、運用コストについてはあまり考えないかもあるかもしれません。

それでも、システムの購入に関与するすべての意思決定者にとって、セキュリティシステムを正常に稼働させる必要なコストについて、しっかりと考えることは重要です。目に見えない大きな損失が発生するのはこの部分です。自分が所属する部門には直接的な影響がないとしても、企業全体に影響が生じるおそれがあります。システムの運用コストが高く、企業が経済的に損失を被ることになれば、最終的には所属先の部門の予算にも悪影響が及びます。

したがって、使用電力量や、必要なメンテナンスコスト、システムをモニターするためのコストについて考える必要があります。候補に挙がっているカメラの違いは、以下のコストにどう影響しますか?

  • 使用中のエネルギー消費量と電気料金への影響
  • 各カメラで必要なストレージ容量と電力コストへの長期的な影響
  • 全体的なコスト削減につながるスマートな機能の有無。たとえば、深層学習とエッジによる高度な分析パフォーマンスが特長のカメラの場合、誤認アラームが最小限に抑えられ、フォレンジック検索をスピーディに実行できるため、運用コストを削減できます。

デバイスの選択は、セキュリティシステムのライフサイクル全体で発生するすべてのコストに最終的に影響します。

 

ステップ4:システムがビジネスに与える影響の予測

候補に上がっている各カメラについて、コスト面から大まかな全体像を把握した後は、最終的な結果について考えます。すなわち、そのシステムがどのようにビジネスに貢献するかです。効率性の向上、窃盗の防止、顧客向けサービスの改善、職場の安全化による従業員定着率の向上などが考えられます。

企業にとって最適なセキュリティシステムを選択すると、最終的に事業価値が創出され、収益性の改善につながる可能性があります。こうしたメリットを総コストと照らし合わせて評価できるよう、判断の際には、セキュリティシステムのビジネスへの影響を定量化することが重要です。

この点について徹底的な考察を行うには、システムのビジネス全体への影響を広い視野から確実に把握する必要があるため、多くの場合、さまざまな部門との共同作業が必要になります。このような部門間協力の副次的なメリットとして、予算が増額される可能性が開けたり、監視システムがビジネスにもたらす有利性への理解が広がることも考えられます。

 

ステップ5:企業にとって最適な意思決定

この最終ステップでは、これまでの各段階で判明した情報を評価し、すべての知見を織り込んで最終的な判断を下します。選択するデバイスによる付加価値や、関連する運用コストの計算など、このプロセスを通じて何らかの新しい知見が得られれば、単なるセキュリティシステムの購入から、企業にとってよりメリットの大きい投資へと、発想が正しい方向に転換しているはずです。

さまざまなセキュリティデバイスの購入に付随する多様なシナリオの比較評価という課題を完遂することで、企業に恩恵をもたらす、システムの最適化が実現します。初期費用に基づく選択とは異なり、長期的な視点に立った判断ができるようになり、今後何年間にも渡って予期せぬ不快なコストが発生するリスクを回避することができます。

 

最適なパートナーとの共同作業を通じて最適なシステムを選択

重要なポイントとして、この作業を単独で行う必要はありません。個々の問題について問い合わせるうちに、企業の長期的な成功のために尽力してくれるパートナーが明らかになるでしょう。

このシナリオの各ステップを企業とともに歩み、無理のない総所有コストと要件に合ったシステムの両面で長期的な価値を生み出し、企業に最大の利益をもたらすシステムを追求する最適なパートナーを見つけることが極めて重要です。

セキュリティシステムの運用コストを削減するスマートソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。

セキュリティシステムの運用コストを削減する3つの方法