スマートテクノロジーを利用したショッピングモール体験の変革

Louise Hobroh

20世紀の半ばに出現して以来、ショッピングモールは、消費者の習慣やニーズに合わせて変容を続けてきました。かつては、有名百貨店を主体に少数のテナントが集まる形式でしたが、仕事、ライフスタイル、遊びの目的地として進化しています。今では、小売店、飲食店、娯楽施設、住居、オフィススペースを併設したショッピングモールも珍しくはありません。

消費者の購買様式の変化とEコマースの発達により、顧客ニーズへの適合を目的とした改革の必要性が生じているのは確かです。さらに、衛生面と安全上の懸念が、変革理由として引き続き影響しています。こうした新たな需要から、ショッピングモールは、安全で快適な環境作り、サービスのカスタマイズ化、顧客に関する知見を踏まえた対策の実施に向けて、さらなる努力を求められています。これは、顧客体験の強化につながる取り組みと言えるでしょう。

ショッピングモールの利用目的の変化に伴い、魅力ある、デジタル化した消費者とのつながりを強化する手段として、新しい技術活用に注目が集まっています。スマート技術を活用することによって、顧客が望むものを提供し、滞在中の安全性や快適性を確保するというショッピングモールの経営目標の達成に貢献することができます。

 

「新しいタイプ」の顧客を満足させる適切な雰囲気の演出

消費者の時間は貴重です。ショッピングモールに訪れる消費者は、自分らしい楽しみ方をしながら、できるだけ干渉されることなく、便利に買い物ができることを期待しています。さらに、滞在中ずっと安心感があり、リラックスしながらショッピングモールで楽しめなければなりません。この「新しい」タイプの顧客が満足するには、テクノロジーを中心とする様々なアプローチが必要です。

安全とセキュリティは、施設の適切な雰囲気を醸成するための重要な要素であり、顧客体験の基盤でもあります。不安や落ち着かない感覚があると、ショッピングモールを楽しむことができません。そのため、顧客にとって、この2つはどちらも優先度が高く、さまざまな相互に関連性ある方法で解決することができます。安全に関しては、衛生面とソーシャルディスタンスに関する懸念に対応して、顧客に安心感を与える必要があります。

安全衛生ガイドラインを遵守する上で、人数計測による占有率の管理は必須です。店舗以外でも、トイレなどの高接触エリアでこのテクノロジーを利用して利用者数を計測し、特定の人数に達した時点で、清掃スタッフに自動的にアラートを送信することができます。

セキュリティの観点では、効果的なモニタリングが不可欠です。ショッピングモールは、窃盗、破壊行為、個人間のトラブルが起こりやすい場所であるため、警備員は、あらゆることに注意を払い、事故や事件に警戒することが重要です。大事件になる前にスタッフが防げる場合もあるため、早期対応はさらに重要です。音声インテリジェンスなどの機能を搭載した監視ソリューションを採用すると、スタッフが不審な動きを検知するのに役立ちます。たとえば、音声分析で通常とは違う物音やガラスの割れる音を拾い出すことができます。

この方法は、実際に優れた効果を上げています。イタリア北部のボローニャにあるLe Piazze Centerでは、従来の監視システムをアップグレードし、効率性を高め、警備員をより適切にサポートする必要がありました。ネットワークオーディオを追加することにより、受動的なシステムが生の音声や録音済みのメッセージを放送できる事前対応型の手段へと進化し、望ましくない出来事や緊急事態を積極的に予防し、適切に対処できるようになりました。誤認が減り現場パトロールが不要なため、大幅なコスト節約にもつながっています。

 

サービスのカスタマイズによる業績の向上

一貫性のあるパーソナライズされた顧客体験を作り出すには、まず、顧客を理解する必要があります。具体的には、顧客のショッピング傾向、最も長く時間を費やす場所、来訪1回あたりの滞在時間などを理解することで、必要なサービスを確実に提供し、利便性を高めることができます。たとえば、今でもソーシャルディスタンスに懸念を感じている顧客には、オンラインで購入により、ショッピングモールで受け取るBOPIM (Buy Online Pick up In Mall) など、非接触型のサービスがあります。

小売企業とモールディベロッパーは、ネットワークカメラに内蔵された分析結果により、さまざまな購買層を検知し、提案の内容を特定の顧客向けに訴求することができます。顧客が店内の特定のエリアに立ち寄った際に、デジタルサイネージでメッセージを表示したり、スピーカーを通じてメッセージを伝えたりすることができます。これにより、高額な商品の販売や、関連する商品の組み合わせ販売の機会が増え、適切なメッセージを適切なタイミングで発信することができます。

 

顧客に関するデータと知見を利用して、重要なデータを経営陣に提供

人数計測ソリューションの導入は、ソーシャルディスタンス対策や入店数管理にとどまらず、確かな情報に基づくマーケティング、運営上の判断にも大きく役立ちます。このソリューションによって、特定の時間帯にショッピングモールに出入りする買い物客について、正確な情報が得られます。人の流れや買い物客が長く滞在するエリアに関する情報も、ショッピングモール側とテナント側に有益な情報とパフォーマンス指標をもたらします。ショッピングモールでは、ゾーン別の人数計測情報に基づいて、何が集客に貢献しているか、それに応じて、テナント構成を分析することができます。このように、ショッピングモールの効率化が実現でき、ビジネスの成長に繋がります。

デモグラフィック分析も、特定のキャンペーンの効果を測定し、次回のキャンペーン計画に役立てる目的で利用できます。マーケティング部門は、柔軟にメッセージを変え関連性を確保することができます。

効果的なマーケティングを行うには、来店者数の把握と測定が極めて重要です。ルーマニアのショッピングモール、Galați Shopping Cityは、ショッピングモールに出店している小売企業が正確な情報で理論武装する必要があると考えました。そこでは、人数計測ソリューションを利用して買い物客の増減のリズムをより正確に把握し、来客数の増加が予測される繁忙期用の対応計画作成に役立てています。

 

未来のショッピングモールを創造

ショッピングモールは今後も、娯楽の中心地として機能し続け、テクノロジーが、各種のプロセス最適化とデータ収集に一定の役割を果たします。この進化の中心に位置するのは、やはりネットワーク監視ソリューションです。新たな用途が続々と出現するでしょう。ショッピングモール内での行動のあらゆる側面に関心を向ける現在、この動きがすでに見られます。

たとえば、駐車場はイライラの原因になりがちな場所です。テクノロジーを利用して、駐車スペースをすばやく見つけられるようになります。顧客が到着した時点で、ビデオ監視カメラとビデオ分析を組み合わせて駐車場をモニターし、モバイルアプリやデジタルサイネージを通じて、空いている駐車スペースの情報を運転者に伝えることができます。

ショッピングモールのメインスペースでは、ライブストリーミングイベントが1つのトレンドとして一般化しています。ソーシャルメディアチャネルを利用したEコマースも、世界中の見込み訪問客に顧客体験を提供しています。こうした取り組みは、特定のエリアの周辺にブロードキャストカメラを配置することによって実現できます。

 

監視テクノロジーを利用して顧客体験を強化

ショッピングモールに新たな可能性が開けようとしている現在、鍵となるのは俊敏性と柔軟性です。テクノロジーを利用して、顧客体験のさまざまな側面を改善し、リピーターやファンを開拓することができます。この取り組みは、分析結果で得た知見を利用して、安全とセキュリティに望ましい変化を起こし、各人に合った体験を作成し計画的に加速することができます。このようなテクノロジーによる、強力な顧客体験は間違いなく収益の増加につながるでしょう。

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