お客様にとってのサポートの価値とは

Axisは製品ベンダーとして、時々、「製品の品質がこれほど素晴らしければ、サポート部門を置く必要はないのでは?」と質問されることがあります。いかにも合理的に思えますが、この質問におこたえするために、現代のテクノロジー企業におけるサポート部門の役割についてお話しすべきでしょう。

サポート部門の仕事の一つが、品質に関連するお客様の問題の解決であることは言うまでもありません。しかし、サポートエンジニアの日常業務は、それ以外にもさまざまな分野に渡ります。

 

製品のライフサイクル全体に渡るサポート

お客様は、製品の導入のかなり前からサポート部門に連絡して、ベンダーや製品を正しく選択するために質問をしています。ここには、たとえば、「このアプリケーションを使うには、どの製品が適していますか?」、「製品Aと製品Bの違いは?」、「このテクノロジーの利点は?」といった、プリセールス部門に問い合わせたほうがよいような質問も含まれます。

さらに、システムの運用中にお客様がサポート部門に寄せる質問の多くも、「このシステムをアップグレードする場合の最善策は?」、「製品を追加したいが、使用中の製品と連携できるかを確認する方法は?」、「この製品の新しいバージョンはありますか?」など、品質に関連するものでない場合が多くあります。

こうした理由から、現代のサポート担当者は、製品の問題を解決するスキルだけでなく、製品ポートフォリオ、お客様が抱える課題、アプリケーションが利用される典型的な分野といったさまざまな分野の知識が求められます。さらに重要な点として、寄せられた質問を、セールスエンジニア、製品スペシャリスト、営業担当者の誰に引き渡すかを正確に把握する必要がありますし、どのタイミングで引き渡すかも重要です。

 

部門間の協力でお客様を支援

従来のテクノロジー企業では、まずセールス部門があって、そのうえでサポート部門が配置され、「両者相会うことなかるべし」と表現されることもありました。納入までの一切をセールス部門が行った後に、サポート部門にバトンタッチする、という構図です。しかし現在、状況は明らかに一変しています。成熟した組織であれば、お客様が導入したソリューションのあらゆる利点を享受できるよう、セールス部門とサポート部門が連携することが最高のサービスを提供する方法だと理解しています。お客様から見れば、サプライヤーのどの部門とコンタクトしたかということでなく、サプライヤーとの関わりという全体的なことがらを通して、部門の壁を感じさせないシームレスでポジティブな体験ができるかが重要です。

また、技術的な側面としては、オープンプラットフォームで構築されたIPベースの製品は、新しい価値をお客様に提供できるソリューションとしていまや進化しています。また、実際に製品同士がネットワークでつながっていますので、管理やアップグレードもはるかに容易ですし、お客様のニーズの変化にもすぐに対応することができます。

こうした変化から、サプライヤーの立場では、セールス担当者、ソリューション設計者、フィールドエンジニア、そしてもちろんサポート担当者の役割の境界が、いっそうあいまいになっています。

 

トラブルは時間との闘い

最近、ドイツで発生したあるサポート事例で、すべての関係者、すなわち、ユーザー、システムインテグレーター、Axisが、非常なプレッシャーにさらされたケースがありました。船内のアナログPTZカメラ(パン/チルト/ズームカメラ)をネットワークに接続するために導入したビデオエンコーダが、どのビデオチャンネルでも正常に動作しない、という技術的な問題が発生したのです。船が洋上から帰還し、ドライドックに入っているのはほんの数日間で、その間に問題を解決する必要があります。お客様にとって、船舶の運航確保はきわめて重要であるからです。このように、ビデオやセキュリティシステムの技術的な問題によって、お客様に多額の間接経費が発生し、財務面への甚大な影響が生じるおそれのある事例は、鉄道、交通監視、空港、海運などの輸送部門では珍しいことではありません。時間的にどれほど厳しいプレッシャーと戦いながらサポートを行わなければならないかを物語る事例でもあります。Axisパートナーのビデオインタビューをご覧ください。

このケースでは、サポート部門が中心となり、ユーザー、インテグレーター、Axis社内のさまざまな部署が緊密に協力し、問題を解決しました。回避策を早急に検討し、対応した結果、船は予定通りドックを出ることができて、すべての関係者が胸をなでおろしました。これが日常茶飯事というわけではありませんが、サポート部門が時にどんな事態に直面するか、プレッシャーの下で迅速に問題を解決する能力がどれほど重要かを物語る事例です。

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