スマートセキュリティの実現

スタンドアロンシステムとして使用しているセキュリティデバイスをオープンな標準技術をベースとするプロトコルで接続し、あらゆるものを含む大規模なテクノロジーグリッドに統合するとどうなるでしょうか? 一言で言えば、デバイスはスマート化します。独自開発の標準技術による閉じたシステムを脱し、デバイスを開放、接続してスマートなテクノロジーグリッドを形成するモノのインターネット (IoT) がセキュリティを改革しつつあり、監視カメラ、ドアアクセスコントローラー、ラウドスピーカーなど、以前は個別に運用していた複数のシステムを管理コンソールの1つの画面で効率的に管理することができます。

これが実際にどのような形で役立っているか、いくつか例を見ていきましょう。

シナリオ1: オフィスビルで無許可のカードが使われた場合

営業時間が終わり、ほとんどの従業員が退社しました。誰かがオフィスビルの入口で、立ち入りが禁止される無許可のカードを使用しました。この「無許可カード」イベントの発生によって、PTZカメラのプリセットがトリガーされます。カメラは自動的に首を振り、直ちに該当する入口を捉え、ズームインします。ポップアップウィンドウに表示されたアラームを見た夜間警備員は、席を立たずに、その入口に設置されている電話機に接続し、ドアの外にいる人物に声を掛けます。応答によって、ビルへの立ち入りを許可するかを決定することができます。

シナリオ2: 遠隔地にある施設の保護

何者かが化学工場のフェンスを乗り越えて、敷地内に侵入しようとしています。IPサーマルカメラがそれを検知し、敷地への侵入を通知します。このアラーム画像が、離れた場所にある管制センターや警備会社に伝送され、担当のオペレーターは、該当する施設に物理的に不在でも、状況を確認できます。オペレーターは現場に最も近いIPラウドスピーカーにSIP経由で接続し、侵入者に警告します。直接警告して、侵入を中断させると、侵入者は80%以上の確率で、そのまま退散します。

シナリオ3: 24時間年中無休の倉庫のリモートアクセスコントロール

営業時間の終了後、サプライヤーのトラックが倉庫のゲートに到着しました。運転手は敷地に入る許可を得るため、IPステーションを通じて倉庫管理者に話しかけます。営業時間後は、このステーションからの通話はすべて、社内の電話システムを通じて、待機中の倉庫管理者の携帯電話に自動転送されます。このシステムでは、アプリを利用して運転手と視覚的に接触することもできるため、運転手が既知の人物かどうかをチェックできます。問題がなければ、倉庫管理者はDTMF (デュアルトーンマルチ周波数) でコードを送信してIPステーションに許可を出し、ゲートを開けることができます。このように、倉庫管理者が離れた場所にいても、運転手の入場を許可するのに必要なステップをすべて実行できます。敷地内と倉庫に設置されたIPカメラを通じて、運転手のその後の行動を監視することもできます。

現時点で比較的簡単に実現できるシナリオを、少しだけご紹介しました。物理セキュリティとデジタルセキュリティの境目が曖昧になりつつある現在、IoTを利用して、業務を効率化するだけでなく、セキュリティの有効性を高めることができる可能性が大きく広がっています。