Axisと企業倫理:変わらぬフォーカス

記事
2021年12月3日
企業の倫理的な行動に対して、これまで今ほど厳しい監視の目が向けられたことはありませんでした。テクノロジーの進歩、地政学的な問題、環境への影響を低減する必要性、顧客の期待が要因となり、あらゆる企業が高い水準の倫理行動を確約する義務を負っています。ここでは、AxisのCEO、レイ・モーリッソン(Ray Mauritsson)とAxisのCPO(チーフ ピープル オフィサー)、マリン・スベンソン(Malin Svensson)がいくつかの課題について語り合い、Axisの企業価値観が、いかに明確にAxis、従業員、パートナーに方向性を示しているかについて考えます。

Axisは、「よりスマートで安全な世界」の実現というビジョンを掲げ、自らを、ビジネスを「正しい方法で」遂行する企業と位置付けていますが、騒然とした今の世の中で、監視業界というデリケートな領域で事業を展開するAxisにとって、この価値観に忠実であり続けることがいかに難しいか、お聞かせいただけますか?

レイ・モーリッソン: 実際のところ、Axisの価値観に忠実であり続けることが難しいとは思いません。むしろ、非常に明確な価値観があるからこそ、騒然とした外部環境や、そこから生じる倫理上の課題に取り組むことができると考えています。Axisは、設立当初から明確な目的意識を持つ企業であり、その成長の過程で、自社の価値観が確実に理解され、一貫して守られるよう努めてきました。よりスマートで安全な世界の実現に貢献するというビジョンは、Axisを常に正しい方向に導く北極星のような存在であり、ビデオ監視と、ますますインテリジェント化する関連テクノロジーは、世のため人のためになる圧倒的な力であると確信しています。

マリン・スベンソン: Axisのビジョンは私たちに明確な方向性を示してくれますが、「よりスマートで安全な世界」とは、目的地ではなく、現在進行中の学習の行程であるという慎重な捉え方をしています。さらに先に進むには、なすべきことが常にあります。このビジョンは非常に多くの細目から成り立っており、それによって、AxisとAxisのパートナーに期待される一連の倫理基準が明確になります。Axisには一連の基本的な価値観がありますが、同様に、私たち全員が順守すべき一連の倫理原則が必要です。これはグローバルなアプローチであり、Axisとお客様にとって、これ以外に信じるに足るものはありません。 

Axisの倫理的な基盤と基本的な価値観は、それを学んだ従業員とパートナーが政治的、技術的、社会的、経済的な課題など、外部環境から生じるさまざまな課題に直面したときに正しい判断を下すための確かな支えになります。先程のRayのコメントの繰り返しになりますが、Axisの価値観は私たちのDNAの一部分であり、外部環境によって変わることはありません。

Axisはグローバル企業に成長し、今では世界中のさまざまな市場で事業を展開していますが、何が倫理的な行動であるかは市場ごとに異なります。全員が確実に同じ倫理基準に達する難しさと、そうした課題をいかに克服しているかについて、お聞かせください。

レイ・モーリッソン: おっしゃる通りです。Axisは比較的短い年月のうちに、スウェーデンの少人数のチームから50か国以上で何千人もの従業員が働く企業へと成長しました。もちろん、この事実は課題を投げかけますが、それは倫理の問題ではなく、主にコミュニケーションにまつわる問題です。かつては社員食堂に全員を集めて伝えることができた事柄でも、今では、全世界に一貫した形で伝達しなければなりません。しかし、先程も述べたように、Axisの倫理基準は現地の市場条件によって変わることはありません。この点について、私たちには一切の妥協はありません。私たちは、事業を展開する国の法律、規制、行動基準に従いますが、私たちのビジネスに対して、現地の法律で要求されるよりもさらに高い基準を設定することが少なくありません。明確さを期するために、総合的な行動規範によって詳細を定めています。この行動規範は、従業員だけでなく、Axisを代表する立場にあるすべての人に適用されます。

マリン・スベンソン: その通りです。Axisの行動規範は、Axisという企業、Axisの従業員、パートナー、さらには、世界中どこでも何らかの状況でAxisを代表する可能性のあるすべての人を対象に定めた基準です。この行動規範は、国連で採択された世界人権宣言と、国連グローバルコンパクトを基盤とし、法律を順守する、倫理的で、責任ある企業としてのAxisと、この領域で従業員とパートナーに期待される事柄について、詳細を定めたものです。

行動規範を定めることによって、多様性と包括性を実現するアプローチから、差別、ハラスメント、汚職、プライバシー侵害を一切容認しない姿勢まで、Axisが期待する基準と照らし合わせ、誰一人として疑問の余地のない行動ができるようになります。またAxisでは、行動規範に含まれるトピックについて、従業員向けのトレーニングやワークショップを実施し、基準に沿って行動しているという自信が得られるようにしています。

それにも関わらず、テクノロジーの使い方について、時にはAxisも批判にさらされることがあります。このような批判に、どう対応していますか?

Malin Svensson
Axis CPO (チーフ ピープル オフィサー)、マリン・スベンソン

マリン・スベンソン: 私たちは、厳しく精査されることを歓迎しています。正当なものであれば、批判も歓迎します。どちらも、Axisのビジネスについて検証し、改善する上で有益だからです。私たちは、セキュリティと監視は慎重に扱うべき問題であることを認識していますし、テクノロジーそのものではなくても、テクノロジーの使い方によって、倫理上の疑問が生じる場合があることを理解しています。Axisは、テクノロジーと製品の開発を続けながら、絶えず学習と探索を行う革新的なテクノロジー企業です。新しい製品やソリューションを市場に投入する際には、非常に慎重な企業でもあります。倫理面で自信が持てなければ商品化はせず、Axisの意欲的で前向きなビジョンに合致する顧客の用途でなければサポートしません。

レイ・モーリッソン: 残念ながら、監視テクノロジーが望ましくない方法で使われる場合があるのは事実です。そして、これは断じて言い訳ではありませんが、開発したテクノロジーがどのように利用されるかをAxisが制御できなくなる限界は常にあります。Axisは、この問題にできる限り適切に対処するため、パートナーと知りうる範囲のエンドカスタマーについて、総合的、体系的、自動的な審査を実施しています。この審査には、国連安全保障理事会の取引禁止対象者リストなど、国内外の制裁リストと規制リストが含まれています。

この審査プロセスに加えて、Axisはパートナーと、さらに、大規模プロジェクトの場合はエンドカスタマーも交えて、定期的に協議を行い、Axisの製品が本来の意図とは異なる方法で使われるリスクがないかを確認しています。また、Axisは、人権に反すると信じる理由があるプロジェクトについては参加を拒否し、国連の推奨事項に沿って企業責任を果たせるよう、絶えず審査プロセスの見直しと改善を行っています。

Axisカメラ用に開発されるアプリケーションは、高度化の一途をたどっています。そうしたアプリケーションがAxisの倫理的な価値観に適合することを、どのように保証していますか?

レイ・モーリッソン: 先程述べた行動規範と審査プロセスは、アプリケーション開発に携わる人々も含め、Axisの従業員とパートナーが、テクノロジーの変化や市場の動向とは関係なく、同じ高い倫理基準にコミットするための基盤となっています。

アナリティクスやAIを取り扱う場合、アプリケーション開発の段階でも、アプリケーションを使用する段階でも、今までにない考慮が必要になります。開発の観点では、トレーニングデータの収集を合法的に行い、個人情報の保護に多大な労力を費やすだけではありません。データが関連性があり、解決すべき用途を代表するものであり、目的にかなう十分な多様性を備えていることも保証する必要があります。

検知やアクションにおけるバイアスを取り除くか、最小化し、アプリケーションに含まれているかもしれない潜在的なバイアスについて、透明性の高い議論を行うことが重要です。こうした取り組みにおいては、フィードバックループが確保されていなければなりません。Axisの優れた指針の一つが、意思決定における「ヒューマン・イン・ザ・ループ」アプローチです。これは、アラートの自動生成後、行動を決定する立場にあるオペレーターに関連データが提供されることを意味します。

Axisは、正当性があると信じる用途のみを対象に市販製品の開発を行い、その意図を常に明確に伝えています。そして、パートナーも同じように行って頂くことを期待しています。AIベースのアナリティクスに関しては、言うまでもありませんが、EU一般データ保護規則 (GDPR) などの法的な枠組みも考慮しながら、何を、どのように市場に投入するかを慎重に選択しています。

とはいえ、Axisも、最終的には収益を上げ、親会社のために価値を創出することをが求められる営利企業です。Axisの商業的目標の達成において、倫理はどのような役割を果たすのでしょうか?

レイ・モーリッソン: 実際は、これは信頼の問題です。人は、自分が信頼する人としかビジネスを行いません。企業は、人々から信頼されて初めて、商業的な成功を収めることができます。企業の倫理原則と倫理的な行動は、企業と顧客のみならず、すべてのステークホルダーとの信頼関係の構築に大きく影響する傾向を強めています。企業とその顧客、パートナー、株主との信頼関係が損なわれた結果、事業価値や業績に直接的なマイナス影響が生じた事例は、枚挙にいとまがありません。信頼を築き、維持することが必要不可欠です。

マリン・スベンソン: 倫理感を持って働くということは、人々とともに働くことを意味します。結局、倫理とは、自分たちの価値観を現実の生活にどう応用するか、たとえば、同僚として、サプライヤーとして、顧客として遭遇する課題にいかに対応するかです。Axisには、テクノロジー、他者との関係、正しい行動への情熱があり、オープン性、誠実さ、共有への意欲という文化があります。Axisの情熱と文化と、それらによって導き出される行動は、正しい倫理原則の順守を助け、結果として、この業界で成功する長期的パートナーとしてのAxisの地位を支えています。

私たちは、自身に対して設定した基準を誇りに思っています。この基準をなし崩し的に軽んじても従業員や顧客との信頼関係は壊れないだろう、と考えるような自己満足に陥ることは決してありません。Axisにとって倫理が変わらぬフォーカスであり続けるのは、これが理由です。

 

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