学校における無差別襲撃の脅威を軽減させるテクノロジー

記事
10月 31日, 2018
無差別襲撃の脅威があり、生命が危機にさらされている時に、皆さんはテクノロジーを信頼することができるでしょうか。あるいはその逆に、皆さんが人手で行っている対応が、個人の安全を損なってはいませんか。

アクシスは、より安全でスマートな世界を実現するインテリジェントなセキュリティソリューションを開発することに注力しています。しかし、テクノロジーに価値を与えるためには、人とプロセスが統合されなければなりません。学校安全の専門家からなるパネルの意見を取り入れ、当社では無差別襲撃の脅威に対するテクノロジーのメリットについて研究を行っています。

パネルはSafe & Sound Schoolsの共同創設者であるミッシェル・ゲイ(Michele Gay)、ASIS School Safety & Security Councilの現役メンバーであるポール・ティム(Paul Timm)、そしてアメリカ・Rock Hill School Districtでリスク、セキュリティ、及び危機管理担当ディレクターを務めるケビン・ワレン(Kevin Wren)の各氏で構成されています。パネルメンバーの各氏に付いての詳細は、本稿の最後を御覧ください。

脅威の予防

世界中の学校では個人の安全への脆弱性がますます注目され、外部の脅威が校内に侵入しないように外扉を施錠するようになってきています。しかしこれでは、遅刻した生徒や一般の訪問者も同様に締め出すことになります。テクノロジーの恩恵がなければ、職員は訪問者があるたびにいちいち外扉を人力で開けなければなりません。これは、学校のように外来訪問者の多い施設にとって実際的なソリューションとは言えません。したがって、実際には正面の扉は利便性のために開けっ放しとなっており、安全上の明らかな脆弱性を作り出しています。

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外部の脅威が侵入することを防ぐ方法はいくつかあります。その一例が、外扉のオートロックです。

それとは対照的に、ボタンひとつで解錠できるオートロックならば、絶え間なく続く来校者への対応が可能となり、個人の安全の確保と運営上の利便性を両立させることができます。通常これはインターコム技術と併用され、職員が外扉にいる来校者と会話することを可能にします。さらに一歩進めれば、自動リモート解錠と双方向通話、及び高解像度ビデオを組み合わせたネットワークドアステーションを使えば、案内を請う人物を映像で確認できるため、脅威の有無をより確実に確認できるようになります。


脅威の検知と確認

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脅威を人間の見方から判断するのは、かなり主観的なものとなります。例えば、大きな爆発音は、化学実験が失敗した結果かもしれません。

脅威が校内に侵入した場合、それが検知されて特定されるまで、一定の時間が経過してしまうことは避けられません。脅威を人間の見方から判断するのは、かなり主観的なものとなります。例えば、ガラスが割れた音は、球技場から飛んできたボールのせいかもしれません。叫び声は、生徒同士の口喧嘩なのかもしれません。あるいは、大きな爆発音は、化学実験が失敗した結果かもしれません。好奇心を抱くのは人間の性質であり、最悪のケースを想定する前に自分の目で確かめたくなるものです。しかし、そのために無差別襲撃者の進路に人が出ていくようなことをしていては、明らかな個人の安全上のリスクを犯すことになります。

一方で、テクノロジーには主観的判断というものが存在しません。音声検知分析は、ガラスの割れる音や大声、または「銃声」などを検知すると即時に警報を送出し、接続された自動化システムを作動させます。これは、無差別襲撃が発生した場合に、対処のための貴重な時間を稼ぎ、生命を守ることにつながります。

しかし、このようなシステムは、おびただしい数の誤報を発生させることがあります。ではどうしたら良いのでしょうか。休み時間中の生徒の喚声や、ロッカーの扉がガシャンと閉まる音、廊下の向こうにいる友だちを呼ぶ叫び声など、この種類のテクノロジーだけに依存して法執行機関や緊急救助機関などに直接通報することは、おそらく得策ではありません。次善の策としては、このテクノロジーを利用して、まず校内の管理責任者や安全担当者に警報を送ることが考えられます。担当者は、高解像度映像監視テクノロジーを利用して警報の原因を確認し、必要なアクションについてより適切な判断を下すことができます。

緊急連絡

危険が切迫しているとの判断が下されたなら、法執行機関への通報と全校への連絡が重要となります。既存の電話による緊急通報は、時間がかかり過ぎます。また、廊下で叫んでみたところで、届く範囲はたかが知れています。また、このどちらの対応も、無差別襲撃者の注意を警報を発する人に引き付けることとなります。

メッセージが敷地内外の学校関係者全員に届くようにするためには、学校の放送設備を使って伝達するのが最も効果的な手段です。アクシスのパブリックアドレスソリューションなら、携帯機器からシステムにリモートアクセスすることが可能です。これは、事務室が占拠された場合にも有効な、注目すべき長所です。また、生の声による伝達に加えて、システムは予め録音された危機対応の完全な措置と指示を、落ち着いて実際的なトーンで伝達することも可能です。

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脅威の存在を伝達する上でパブリックアドレスソリューションを使用することには多くのメリットがあります。携帯機器からシステムにアクセスできる点もその一例です。

外部との連絡に関しては、非常時通報(または「アモク」警報)が緊急シグナルを緊急救助機関と法執行機関に対して即時に、しかもひそかに送信され、潜在的な無差別襲撃の可能性を周知することができます。

このようなシステムは、コネクテッド技術を利用することで、学校の電子サイレンやストロボライト、および保護者や一般への通報システムと統合することが可能で、人々が危険区域に近づかないように警告することができます。

ロックダウン(封鎖・避難)

世界中の学校では、無差別襲撃への対応として「ロックダウン」を採用する例が増えてきています。しかし、この動きは最近始まったばかりであり、学校は安全対策と装備の継続的な改善努力を続けています。今日の学校の教室のドアは、その多くが昔ながらの鍵と錠前を用いています。ここに、進化したテクノロジーの恩恵を受ける余地があります。ここでテクノロジーが果たせる役割に触れる前に、現状の鍵と錠前のケースを検証してみましょう。

ドアと施錠メカニズムについては、今のところ世界的な標準が存在しておらず、国による違いには著しいものがあります。例えば、アメリカの教室のドアはワンアクション解錠・開扉タイプで外側に開き、ヨーロッパは2アクション解錠・開扉タイプで内側に開きます。また、アメリカのドアの施解錠は通常外側で行い、鍵を必要とします。外側からならドアを永続的に施錠状態にすることができますが、遅刻した生徒のために授業を中断してドアを開け、再施錠をするのは面倒です。そのため、便利さを求めてドアを解錠状態にしておくのが慣例化しています。さらに、教師は教室のドアの鍵を所持するよう求められていますが、多くの教師が実際に鍵を所持してはいません。ここにも、理論と実態が乖離している実例が見られます。このような対策には、明らかな安全上の脆弱性と、手順上の瑕疵が存在します。例えば、代用教師が授業を受け持つことになった場合はどうでしょうか。その教師は鍵を所持していますか。あるいは、手順についてのトレーニングを受けているでしょうか。

実際の緊急事態でロックダウンが実施される際に、昔ながらの鍵と錠前を使うのだとしたら、教師はまず、鍵がどこにあるのか探す必要があります。次に、廊下の外に出ていかなければなりません。そこは恐らく、無差別襲撃者の進路に当たります。そこで教師は、恐怖に怯えながら、恐らくは震える手でドアを施錠状態にし、鍵を抜き取り、それでようやく比較的安全である教室内に戻ってドアを閉めることができるのです。

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ネットワークをベースとした屋内ドアのアクセスコントロールは、個人の安全リスクを無くすことが可能で、しかもかなり経済的です。

屋内のドアにネットワークベースのアクセスコントロールを施すことで、以上のような教室のドアに関する課題を解決し、ボタン操作で集中的に閉扉・施錠ができるようになります。このプロセスを自動化することで、鍵と錠前につきものの不必要な遅延と個人の安全リスクを無くすことが可能です。このソリューションは、ドアを教室内から外に向かって手動で開けられるようにしておけば、火災予防条例にも適合します。システムのコスト面から見ても、ネットワークベースのアクセスコントロールシステムは、鍵の紛失や職員の離職の際の付け替え費用に比べると、極めて経済的です。 

最高の結果を確実に

以上の事柄は、学校の安全向上のためにテクノロジーが貢献できる一例に過ぎません。しかし、前にも述べたとおり、テクノロジーに価値を与えるためには、人とプロセスとに統合されなければなりません。技術に信頼を置くためには、製品の安全性と信頼性が最も重要になります。だからこそアクシスでは、製品の品質にこだわっており、また、当社のソリューションは3層のサイバーセキュリティを提供しているのです。さらに重要なことは、アクシスは安全とセキュリティの専門家とのグローバルなネットワークと協力しているという点です。この専門家たちは、より安全な教育環境のために、安全上の脆弱性の評価や、緊急対応計画の作成、セキュリティシステムの設計などにより、学校を支援できる存在です。独立の専門家は、貴校の特別なニーズのために適切なテクノロジーを見つけ出すお手伝いを提供します。

 

学校の安全に関する経験について学校安全の専門家パネルメンバーによる2018 Axis School Safety Summitでの議論をご覧ください。

 

アクシスの学校安全の専門家パネルメンバー

  • Safe & Sound Schoolsの共同創設者であるミッシェル・ゲイ(Michele Gay)氏は、ご自身の愛娘ジョセフィーヌを2012年12月にSandy Hook Elementary Schoolで起きた大量銃撃事件で亡くされた経験から、学校の安全上の脆弱性がどのように悪用され得るかを知り尽くしています。この事件後、氏は学校安全のための情熱的な活動家となり、法執行機関や教育者、保護者、そして地域社会との対話を頻繁に行っています。
  • ポール・ティム(Paul Timm)氏は、ASIS School Safety & Security Councilの現役メンバーであり、理事会によって身体的安全専門家 (PSP) として認定されています。また、『School Security: How to Build and Strengthen a School Safety Program』の著者でもあります。氏はまた、脆弱性の評価手法についても認定を受けており、数多くの学校の安全計画立案と危機援助を支援しています。
  • Rock Hill School Districtでリスク、セキュリティ、及び危機管理担当ディレクターを務めるケビン・ワレン(Kevin Wren)氏は、法執行機関と学校安全の2つの世界で長い経験をお持ちです。2016年にはCampus Safety誌によりK-12ディレクターに指名された氏は、学校の安全向上にテクノロジーを取り入れ、無駄のないセキュリティチームの有効性を高めています。(K-12 = 幼稚園から高校までの教育期間を示す略語)
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