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「ピンク・プログラミング」のサポート - ダイバーシティの推進に向けた第一歩

Supporting Pink Programming – a step towards greater diversity

創造性と革新を推進するためには、職場で多様性と平等を確立することが非常に重要となります。そして、プログラミング部門に女性の人材を誘致することで、開きつつある技術スキルのギャップを埋めることができます。そのためAxisは、プログラミング・キャリアを目指す女性を支える組織「ピンク・プログラミング (Pink Programming)」をサポートしています。

特にIT分野で、技術スキルのギャップが広がっているという話をよく耳にします。米国労働省 (DOL) の報告によると、2028年には米国で約400万人のコンピューティング関連の求人が発生すると考えられていますが、現在の米国のコンピューティング学士号取得者の状況を見ると、必要とされる人材の19%しか埋めることができないと推定されています。

ダイバーシティについては、2020年の専門的なコンピューティング業務における女性の割合は25%であったと NCWIT (全米女性情報技術センター)が報告しています。2019年のコンピューター情報科学の学士号取得者の中で女性が占める割合は21%でした。

ダイバーシティによりビジネスが改善

固定観念としてITエンジニアやソフトウェア開発者にそぐわないと思われていた女性や他の人材がこの分野により高い関心を抱くようになれば、これは著しく有意義です。また、Axisのマリン・スベンソン (Malin Svensson) CPO (チーフ ピープル オフィサー)が説明しているように、これにより、Axisが目指しているより強力かつ多様なチームの構築を推進することができます。

さまざまに異なる経歴や能力を持つ人材が集まることで、イノベーション、

創造的思考、従業員の満足感が促進されます。

「当社はさまざまな人々を雇用することを望んでいます。従業員が自身の本質を活かし、全力を発揮できる職場を構築したいのです」と、スベンソンCPOは以前のニュースルーム記事で述べています。同CPOはまた、「さまざまに異なる経歴や能力を持つ人材が集まることで、イノベーション、創造的思考、従業員の満足感が促進されます。これは賢明な戦略であり、これにより優れた結果がもたらされます」とも語っています。

ジェンダーダイバーシティを推進している技術組織は財務的に豊かであるだけでなく、革新的で生産性も高いと記されているNCWITの報告書により、同CPOの言葉が裏付けられます。

固定観念を捨てて新たなプログラマーを誘致

スウェーデンで2015年に設立されたボランティア主導の組織「ピンク・プログラミング」は、女性プログラマーの増加に実践的に取り組む組織の1つです。同組織のウェブサイトには、「当組織は、プログラミングに興味のある女子や女性たちが、楽しく落ち着いてコーディングを学び、既存のスキルを伸ばすことができる刺激的な環境を構築したいと考えています」と記されています。

インクルージョンとダイバーシティのメリットを強調する記事やレポートがこれまでになく増えていますが、これを実現するためにはどのような障壁を乗り越える必要があるのでしょうか。

Andrea Arvidsson
ピンク・プログラミングのマネージング・ディレクター、アンドレア・アルビドション(Andrea Arvidsson)氏

ピンク・プログラミングのマネージング・ディレクター、アンドレア・アルビドション(Andrea Arvidsson)氏は、「今日、女性の開発者の数は全体の10%にも達していません。おそらく最大の障壁は、『プログラマーに向いている人材』という固定観念が未だに存在していることです」とし、「当組織はこの固定観念を排除し、プログラミング分野に多くの異なる視点や個性を持った人材を誘致したいと考えています。異なる年齢、性別、経歴を持った人材を招き入れたいのです。組織の活動を通じて、プログラマーとして活躍することが可能かつ楽しいということを示し、業界のロールモデルを紹介することでインスピレーションを掻き立てたいと考えています」と述べています。

待ち望まれていたイベントの開催

ピンク・プログラミングは、女性が集まって共にプログラミングに取り組めるさまざまなイベントを開催しています。これには、数日間のコーディング・キャンプや「ピンク・デジタル・サンデー」と呼ばれるイベントが含まれます。両イベント共に高い人気を博しています。

アルビドション氏は、「当組織が開催したイベントは、最初から定員数を超えるほどの参加者で溢れていました。女性の皆さんは、同じ状況下にある他の人々と出会い、自身の実力に負い目を感じなくて済む環境で共にプログラムに取り組み、自身の経験を共有できるコミュニティに飢えていたのです」と話しています。

従来的には、参加者全員が同じ部屋で対面することで素晴らしい発展が見られました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)パンデミックによりこうした熱意が弱まるのではないかという懸念がありましたが、ピンク・プログラミングは成功裏にイベントをデジタル形式で開催しています。同組織はさらに、コンセプトを広げることで、何らか理由で以前にイベントに参加できなかった参加者を惹き付けることにも成功しました。

サイバーセキュリティに焦点を当てた合同イベント

Malin Lindström
Axis Communicationsで機械エンジニアとして働くマリン・リンドストローム(Malin Lindström)氏

ピンク・プログラミングのメインスポンサーの1社であるAxisの協力により、3月21日に共同ピンク・デジタル・サンデーが開催されました。テーマはウェブの一般的な脆弱性の調査と発見に焦点を当てた「サイバーセキュリティ - キャプチャー・ザ・フラッグ!」です。イベントでは、参加者が旗取りゲームに参加し、Axisのエンジニアによる感動的な講演に耳を傾けました。Axisの従業員、ビクトリア・ヴチッチ(Victoria Vucic)氏とマリン・リンドストローム(Malin Lindström)氏の2人がイベントでその経験を共有しました。

イベントに参加した80人の参加者のほとんどはスウェーデン人でしたが、アルバニアや米国など、7ヵ国から参加者が集まりました。大半の参加者は、このイベントが非常に刺激的であったという感想を述べています。某参加者は、これまで参加したイベントの中で最も気に入ったワークショップであったと語っています。

某参加者は、「全くの初心者向けワークショップとは思えませんでしたが、トピックは非常に興味深く、話についていくことができました。ITセキュリティを自身のキャリアとするかどうかについて迷っていましたが、このイベントに参加したお陰で そうしようという決心がつきました。また、ヴチッチ氏の講演はとても興味深い内容でした。別のキャリアを持っている人の話も、自身の励みになるということに気付きました」と話しています。

重要な女性のロールモデル

プログラミングに関心を抱く女性の人材を増やすには、肯定的な女性のロールモデルを提示することが不可欠であることから、ヴチッチ氏とリンドストローム氏の参加はイベントの目玉となりました。

Victoria Vucic
Axis Communicationsのテストエンジニアを務めるビクトリア・ヴチッチ(Victoria Vucic)氏

現在テストエンジニアを務めるヴチッチ氏は、大学でプログラミングを学びはしましたが、自身がプログラマーになることは考えていませんでした。同氏は、「自身がプログラマーになるということは想像できませんでした。しかし、コードを理解できる能力があれば、職務に関係なく、テクノロジー業界で働く際に大きなメリットとなります」と述べています。

ピンク・デジタル・サンデーへの参加については、同氏は何の躊躇もありませんでした。同氏は、「Axisがインクルージョンとダイバーシティを推進している楽しい職場であること皆さんに示したかったのです。また、それぞれの経歴に関係なく、誰もがセキュリティ分野で働けるということを分かってもらいたかったのです。こうしたイベントに参加することを皆さんにお勧めします。新たな事柄を学び、テクノロジー業界に携わる他の女性の方々と出会うことで大きな可能性が生まれます」と語っています。

機械エンジニアとして働くリンドストローム氏は、現在パノラマカメラを開発しています。同氏は就職活動の際、開放性を促進し、従業員が相互に助け合う文化を持つ企業を探していました。同氏は、「素晴らしいチームワークが夢だったのです」と説明しています。

リンドストローム氏は自身の職務からか、エンジニアリングを追求する女性に対する見方が多少異っているようです。同氏は、「プログラミングや機械工など、職務の種類に関わらず、エンジニアとして力を発揮することが重要かつ楽しみだと思っています。ロールモデルは不可欠です。他の女性の方々が私自身や同僚を見て、エンジニアになりたいと思ってくれれば、それ以上に素晴らしいことはありません。私にとって、ピンク・デジタル・サンデーの重要性はこの点にあるのです。また、参加者の方々がおそらくはまだ知らない事柄や興味を持っていることにさえ気付いていない何かを伝えることが大切だと思います」と語っています。

Axisの最優先事項「ダイバーシティ」と「インクルージョン」

Axisは2017年からピンク・プログラミングとコラボレーションを図ってきました。Axisのコラボレーション責任者を務めるティナ・ルーディン・カイコネン(Tina Rudin Kaikkonen)氏は、「ピンク・プログラミングは、多くの人々を惹き付ける明確なコンセプトを掲げています。これにより、精神的な障壁を打開することを目指し、そしてAxisと同様に、知識の共有とチームの精神に重点を置いています」と述べています。

Axisはこうしたイニシアチブを支えることに強い関心を抱いていると述べた同氏は、「Axisには独自の企業文化があり、ダイバーシティとインクルージョンの推進が会社すべての部門における最優先事項とされています。当社は、技術やプログラミングに携わる女性の人材を増やすことに取り組んでいます。この目標を達成できれば、高い価値がもたらされます」と語っています。

Axisのダイバーシティとインクルージョンの取り組みに関する詳細
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