インタビュー: バリューチェーンを通じて信頼を築くための倫理とその役割

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12月 21日, 2018
あらゆるビジネスにとって、信頼はますます重要な資産となっており、組織の倫理行動方針は主要なステークホルダーとの関係の中核となっています。 アクシスの社長兼CEO、レイ・モーリッソン (Ray Mauritsson) とCTO (チーフ・テクノロジー・オフィサー)、ヨハン・ポールソン (Johan Paulsson) に、倫理と信頼に関する見解について聞きました。

ある思慮深い人がかつて言ったように、信頼を築くには長い時間がかかりますが、壊れるのは一瞬であり、それを修復するには一生かかります。 商業の世界において信頼は不可欠であり、重要な有形の企業資産として認識が高まっています。私たちは、信頼する人とのみビジネスを行い、また、人々からの信頼を得ることができて初めて成功をつかむことができます。

企業とその顧客、パートナーまたはステークホルダーとの間の信頼が毀損されることで、企業の価値や業績に直接的な悪影響を与える例は数多くあります。 信頼がどのように構築される (または壊れる) かには多くの要素があり、組織の倫理的行動は、特にテクノロジー、セキュリティ、環境の持続可能性関連において、ますます影響が大きくなっています。

倫理と信頼がビジネスのさまざまな側面、テクノロジー、そしてアクシス自体にどのように影響を与えるかについて、レイ・モーリッソンとヨハン・ポールソンは次のように語っています。

ビジネスにおける倫理的行動と信頼の関係について、どのように考えていますか?

レイ・モーリッソン: 非常に重要であり、直接的な関係があると考えています。 当社のビジネスは、オープンで透明性の高い倫理的なビジネスプラクティスに基づいて構築されたお客様やパートナーとの長期的な関係を通じて成長してきました。 しかしそれは、各組織、そしてその顧客やその他のステークホルダーによって異なります。 業種によっては、セキュリティ業界ほど倫理的な問題に影響を受けない場合もあるでしょう。 しかし私にとっては、譲れない問題です。

ヨハン・ポールソン: 同感です。 技術者である私にとって興味深いのは、組織の倫理とテクノロジーに関連する要因との関係性がいかに高まりつつあるか、ということです。 たとえば、今日ビジネスの信頼を失う最速の要因の一つとして、顧客データの保護に失敗した場合や、顧客が不快感を覚えるような方法で顧客データを使用していることが判明した場合が挙げられます。 この世界に、自社のテクノロジーの使用と開発における倫理的な意味合いについて考える必要のないビジネスは存在しません。

アクシスにおいて、このことはどのような形で現れていますか?

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当社では、サプライヤーを対象とした監査など、サプライヤーが当社独自の価値観や期待に沿えるようにプロセスを整えています。

レイ: もっとも容易なのは、私たちがどのように経営を行う必要があるのかを定義づける業界規制と国際的な規制、そしてこれらの規制の順守に注意を向けることです。しかし当社にとってこれはベースラインとなる衛生要因です。「正しいことをすること」そして「良いことをすること」は企業のDNAに根付いている必要があり、アクシスではこれがしっかりと浸透しています。したがってアクシスでは、事業のあらゆる分野において法的に必要とされる枠を超えて長期的に考え、自社の基準を設定しています。これには当社の財務実務、従業員行動規範、持続可能性、データの使用と保管など、数多くの分野が含まれます。しかし当社のビジネスだけにとどまりません。 アクシスは長いサプライチェーンの中にあり、その中のいずれかのリンクが当社の設定基準を満たさない場合、アクシスが構築してきた信頼を損なう可能性があります。そのため、アクシスのサプライヤーおよびパートナーが当社の価値観や期待値に沿うようにするためのプロセスも設けています。

ヨハン: 私たちは、経験的なものから実践的なものまで、さまざまなレベルで適用できるモットーとして「責任あるテクノロジー」を掲げています。30年以上にわたり技術開発を行ってきた企業として、アクシスは技術開発がもたらし得るプラスの影響を十分に認識していますが、同様に急速な技術革新に伴って起こる問題についても重々承知しています。たとえば人工知能(AI)について考えてみましょう。医療機関、公共交通機関、セキュリティ業界、金融業界など、あらゆる業界においてAIは非常に大きな可能性を秘めています。しかし同時に、重要な倫理的問題を喚起します。 何かできることがあるからといって、かならずしもそれをする必要があるわけではありません。倫理的な行動をするうえで非常に重要なのは、常にこの疑問を問い続けることです。 これは、The Copenhagen Letterの中で強調されています。より基本的なレベルでは、製品を製造する上ですべてのコンポーネントが自社で設定した品質と持続可能性の基準を満たしているという自信がなくてはなりません。 自信を得るためには、電子部品の素材やその原産地の分析に至るまで、自社製品のあらゆる側面を明確に把握することが必要です。

アクシスは慎重な対応が求められる分野に取り組んでおり、セキュリティや監視目的で使用される製品を作っています。お客様に納品した後、「よりスマートで安全な」世界を実現するという当社のミッションに沿った形で製品が使用されるようにするためには、どうすればよいでしょうか?

レイ: いい質問ですね、それは当社にとっての最優先事項です。製品がミッションの実現に役立つ目的のために使用されるようにするため、アクシスでは数多くの取り組みを行っています。まず、市場に投入するすべての製品の具体的な目的と使用事例について十分把握し、それをパートナーに明確に伝達するとともに販売プロセスに積極的に関与しています。当社製品の目的について正しい理解を得るためには、チャネルパートナーのトレーニングや教育も重要な取り組みです。また、倫理に反する形で製品が使用されるのを防ぐため、どの国のどの企業に販売するのか、しないのかについて先を見据えた判断を下します。非常にまれではありますが、製品の倫理的使用についてグレーゾーンがあると思われるビジネスの機会がある場合は、社内の「倫理審議会」へ報告され、議論や同意が行われます。

ヨハンにお聞きします。技術的な観点から見て、倫理的な一線を超える可能性がある領域について、主にどのような懸念を持っていますか?

ヨハン: 先ほどデータについて言及しました。広い認識の観点から見て、これは倫理に関する懸念事項でもっとも注目される分野の一つであると思います。公共、民間を問わず、組織が個人情報を収集、保存、使用、共有、保護する方法は、世界中すべての人にとって極めて重要な問題です。EU一般データ保護規則 (GDPR) などの法令では、データ保護 (映像監視関連のデータを含む) の必要性を強調していますが、これにより組織が消費者が不快に思う方法で個人情報を使用したり、データ保護を怠ったりしていることが判明し、この問題に対する人々の意識が高まりました。

Axis CTO Johan Paulsson talking about ethics and trust in the surveillance industry

しかし別の観点からデータを見ると、非常に具体的な顧客ニーズと課題に合わせたソリューションに対するトレンドが見られます。このソリューションには、もちろん顧客データの分析が求められます。繰り返しになりますが、お客様が安心してデータを共有することができ、結果としてより良いソリューションを確保することのできるアクシスとお客様との信頼関係が基本です。

突き詰めていくと、データは企業、政府、そして犯罪組織にとって、非常に価値のあるものです。すべての人が自分たちのデータがどこにあるのか、どのように使用されているのかについて、考える必要があります。そして、クラウドベースのサービスがビジネスにおいてますます重要な役割を果たしている今日は特に、私たちは組織として自社の活動についてオープンであり、透明性を維持する必要があります。

(補足) アクシスでは2010年以来、事業活動、環境責任および社会的責任に関連する活動に焦点を当てたサステナビリティ(持続可能性)レポートを毎年発行しています。最新の報告書はこちらからご覧いただけます。