ロジスティクスへの統合型アプローチによって問題を防止

購買チャネルが多様化し、多くの消費者がオンラインでの購入に移行しています。顧客サービスや配送の速さに対する消費者の期待は高まる一方であり、オンライン小売企業は、ロジスティクスに関して、いくつもの問題に直面しています。

商品の備蓄と出荷を処理するロジスティクスは、サプライチェーンにおいて重要な役割を担います。この細分化した市場は、以下のような課題を抱えています。

  • 商品の輸送に複数の業者が関与する
  • 商品は迅速に配達する必要があり、輸送中の破損も防止しなければならない
  • 荷物の紛失や破損について顧客から訴えがあった場合、問題の解決には、追跡機能が不可欠
  • ロジスティクスセンターや輸送データに、複数の関係者が異なる権限レベルでアクセスする

ロジスティクス管理者にとって、これらの課題への対処が大きな負担になるおそれがあります。

施設の保護について、まず解決すべき分野として、倉庫のセキュリティとアクセスコントロールが挙げられます。

高額商品の窃盗を高いコストパフォーマンスで最小化する方法は?

これは、顧客からよく聞かれる質問です。Europolが行った、窃盗に関する最新の調査によると、不法行為の15%が倉庫からの窃盗です。倉庫を保護し、損失を減らすことが重要です。

商品を効率的に保護するには、商品の保管場所を積極的にコントロールすることが基本です。サーマルネットワークカメラアナリティクスソリューション(映像分析)を組み合わせ、ビデオによる周辺保護を行うことを推奨します。これにより、境界に設けたフェンスに、さらにセキュリティの層を追加することができます。オープンなネットワークカメラとインテリジェントビデオソリューションは、盗難防止のために積極的な監視を行い、施設における問題の発生を未然に防ぎます。侵入者が施設に入る前に侵入を止めることができるため、警備員による施設警備の必要性が低下し、投資の回収が達成されます。

サーマルネットワークカメラ (赤外線カメラ) は、日光の下、完全な暗闇、さまざまな気象条件など、あらゆる条件下で人物や車両を検知、視覚化できる無敵の存在です。カメラに内蔵されたインテリジェントビデオアナリティクスと組み合わせることにより、何者かが境界線を越えた場合に境界侵犯のフラグを設定し、動体検知によって不当な侵入者の存在を検知し、音声インテリジェンス、音声検知によって、ガラスの割れる音など事前に定義した音声の発生をスタッフに知らせるなど、さまざまな事象に対応して自動的にアラームを発生させることができます。専用のアルゴリズムによって、動物などの小物体の動きをフィルターで除外し、保安管理室に「誤認警報」が送信されることを防止します。

ソリューションにPTZカメラを追加すると、疑わしい事象を検知した時点で侵入者を特定し、追跡することができます。このカメラは、適切な場所に手動または自動で焦点を向けるため、セキュリティ担当者はアラームのチェック後、侵入者を識別することができます。

悪意ある侵入者を検知した場合、ネットワークスピーカーを使用して犯行を思いとどまらせ、フェンスや建物の損壊を防ぐことができます。アラームメッセージを自動配信したり、認証されたデバイスから双方向通信を行うこともできます。

連携して動作するサーマルネットワークカメラ、アナリティクスソリューション、PTZカメラの組み合わせは、盗難防止の最前線の防御となる強力な周辺保護を実現します。

増加する車両の通行を保護し、コントロールを強化

ロジスティクスにおける難題はアクセスコントロールです。さまざまな人々、車両、パートナーの出入りの管理は、セキュリティ部門と事業部門の両方の懸案事項です。

こうした出入りは、リスクと脆弱性につながり、効率性の低下を招くおそれがあります。複数のレベルで行われるアクセス管理も複雑な問題になりがちです。

通常、ソリューションとして提案するのは、車両の出入口をIPアクセスコントロールシステムの対象範囲にすることです。統合型のセキュリティ戦略として、施設に立ち入る際、まずIPコントローラーと読み取り装置を使用して、従来型のバッジやキーパッドによる認証を行います。IPビデオカメラとIPアクセスコントロールソリューションの統合は、さまざまな新しい可能性をもたらします。ビデオアナリティクスソリューションとの組み合わせにより、以下のような新しいタイプのサービスが提供されています。

  • 顔認識に基づく訪問者の自動検証
  • ナンバープレート自動認識を利用して車両を識別し、自動的にゲートを開放
  • バーコードやQRコードスキャンによる自動的なドア開放

IP HD固定カメラを使用してビデオ監視を行い、人物、車両、物体の細部を捉えることができます。非常に暗い条件下でもノイズを低減し、色を保持する特殊な低照度テクノロジーがカメラに搭載されているため、視認性や識別能力が大幅に向上します。セキュリティ担当者は、アクセススコントロールのデータを利用して、特定の時間、訪問者ID、車両やトラックのナンバープレートなどの条件を設定して検索を行い、高品質ビデオをすばやくチェックすることができます。

施設の入口では、守衛所で行われていた従来の警備の代わりに、通信、ビデオ監視、リモート進入コントロールを組み合わせて1台のデバイスに搭載したIPオーディオビジュアルコミュニケーションシステムを利用できます。このようなネットワークビデオドアステーションは、すべての入口を一元的に管理する手段になります。複数のアクセスポイントを少人数のスタッフで管理するリモート受付で利用すると特に便利です。認証された運転手がリモートでゲートを開け、企業側で運転手の動きを追跡するフォークリフトのアクセスコントロールを統合することもできます。

周辺保護アクセスコントロールネットワークビデオドアステーションなどのIPソリューションは、PSIM (Physical Security Information Management) ソフトウェアに簡単に統合できるオープンソリューションです。これらのソリューションをバーコード、RFIDスキャナー、その他の検知器と組み合わせ、WMS(倉庫管理)システムやERPシステムと簡単に連携させることができ、高度なセキュリティ、ロジスティクスサービスを実現することができます。

このようなソリューションを使用することにより、交通量の増加とともにコストが削減でき、投資の回収が明白になります。

商品の窃盗を防止し、ロジスティクス関連の新たな課題に対処するための第一歩は、倉庫や施設を侵入から効率良く守り、人間や車両が敷地や倉庫に入る前の段階で高品質なコントロールを行うことです。