小売薬局の進化に対応するネットワーク音声、ビデオソリューション

実店舗を展開する小売業界では、ネット販売との競争が激化しており、テクノロジーを利用してこの最大の課題を解決する方法を模索しています。小売薬局も例外ではなく、市場や規制の変化に伴い、ちょっとした進化が起こっている薬局もあります。これらの薬局では、医薬品の販売にとどまらず、家庭での医療に関する相談をはじめとする、幅広いサービスや商品を提供しています。

このような店舗の複雑化やハイブリッド化が続いていく中で、業務運営を支援し、セキュリティや損失防止策を強化し、最終的に有益な店内体験を実現する適切なテクノロジーの導入は極めて重要です。

 

薬局が抱える特有のニーズ: 損失防止から規制コンプライアンスまで

薬局が多目的化している現状から、さまざまなタイプのソリューションが必要になっています。他の小売店と同様に、ネットワーク音声、ビデオソリューションがセキュリティの目標の達成に貢献します。たとえば、反社会的な行動や攻撃的な行動を監視して抑止し、事件が発生した際にはスタッフにアラートを送信し、警備員が円滑に介入することができます。損失防止に関しては、アナリティクスを搭載したカメラをレジの近辺、保管施設、出口で使用して、不審な行動を検知することができます。

規制医薬品の保管と販売を行う関係上、薬局の一部のエリアでは、在庫のモニタリングをより厳密に行い、医薬品の計数と調剤が規定に従って行われていることを確認する必要があります。これは、納入についても同様です。物流会社と医薬品の受け取り側が適切な手順に従っていることを確認するためです。外部監査が行われる場合があるので、適切なプロセスを整備し、違反による罰金や取引の中断を防ぐことが重要です。

取り扱う品目の性質上、薬局では厳密なセキュリティ対策が必要ですが、同じ理由から、質の高い顧客サービスも極めて重要です。顧客は、処方された医薬品や症状について、スタッフと機密性の高いプライベートな会話を希望する場合があります。そのような場合、速やかに、親身に対応することができれば、顧客との関係がより深まります。

 

顧客体験で小売薬局の競争力を確保

薬局は、興味深い歴史をたどってきました。市販薬と処方薬を購入できる専門店として出発した薬局は、後に、予防接種や健康管理などのサービスを提供するようになりました。にも関わらず、小売薬局の多くは依然として、特に顧客が高く評価する、専門的なスタッフとの交流など、個人的なやり取りを十分に活用できていません。実際、AmerisourceBergenのレポートによると、薬剤師が勤務中に顧客とのカウンセリングに費やしている時間は、わずか10%にすぎません。

その結果、小売薬局のビジネスが弱体化するおそれがあります。オンライン薬局は、効率の良い効果的なサービスで人気が高まっていますが、対面交流による人間的な接触はありません。小売薬局が優れた顧客体験に加えて、医薬品とその他の製品をすばやく入手できる利便性を兼ね備えていれば、ビジネスの存続につながる優位性が得られます。不安や緊張を抱え、スタッフの忍耐心や共感力を必要とする顧客にとっては特にそうです。

 

さまざまな目的に対応する多様性に富む統合型ネットワークビデオソリューション

薬局という環境を詳しく見ていくと、その複雑性から、他とは若干異なるアプローチが必要であることがわかります。

 

  • 顧客のケアとプライバシー

顧客サービスの観点では、スタッフが顧客を相手に価値ある時間を費やすことができるよう、適切な店内テクノロジーを導入することが重要です。ネットワーク音声とアナリティクスを搭載したビデオソリューションは、手助けが必要な人を検知した時点でスタッフがすばやく接客できるようにするなど、ワークフローの能率化と効率性の向上に貢献する可能性があります。こうしたすばやい対応が、顧客に安心感を与えます。相談コーナーにおける顧客のプライバシーも重要な問題です。セキュリティを損なわずに個人のアイデンティティを保護するソリューションを導入すると、顧客が安心して相談することができます。

 

  • 調剤室と納入エリア

調剤室ではアクセスコントロールソリューションを利用して、定期的に服用する必要がある、規制対象の医薬品が入ったキャビネットを開けることができるスタッフを管理し、関係ないキャビネットを施錠しておくことができます。医薬品の保管場所への立ち入りを制限することで、莫大な損失につながりかねない窃盗や、在庫損失のリスクが減少します。アクセスコントロールソリューションは、いつ、誰が医薬品の保管場所に立ち入ったかを追跡するのにも役立ち、説明責任を強化するとともに、薬剤の窃盗や悪用を抑止する効果があります。

調剤に関しては、現地の法律に従って行う必要があり、テクノロジーを利用してコンプライアンスを確保することができます。調剤室にカメラを設置して、処方に応じて適正量の医薬品が調剤されているかを監視することができます。

注意を要するもう一つの場所が納入ゾーンです。スタッフが使用する装着式カメラにより、製品や医薬品が手順通りに正しい方法で納入され、記録されているかを確認することができます。これは、事件発生後のフォレンジック調査ではさらに重要になります。

 

  • セキュリティと業務運営

業務プロセスをテクノロジーで支援することもできます。たとえば、店内の待ち行列を管理して、顧客の不満を最小限に抑えたり、陳列棚のモニタリングによって、特定の商品が残り少なくなった時点でアラートを送信したり、セルフレジでアナリティクスを利用してスキャン逃れを検知したりすることができます。来店者数、店内の混雑率、人員配置レベルなど、収集したデータから得た知見を今後のプランニングに活用することもできます。

安全とセキュリティは常に最優先事項であり、スタッフを最も強力に支援するソリューションを採用することが重要です。まず、薬局の入口に設置したパブリックビューモニターは、来店者に自分が監視下にあることを意識させ、攻撃的な行動や反社会的な行動を思いとどまらせるのに有効です。

事件が発生した場合は、スタッフが現地またはリモートの警備担当者に通報し、最新の状況を随時知らせる必要があります。一方、警備担当者が、刻々と変化する状況に対処するための指示をスタッフに伝えなければならない場合があります。双方向オーディオ機能を備えたソリューションを使用すると、この対話が可能になり、最良の結果が期待できます。

 

薬局が提供するサービスの拡充

コンビニエンスストアと同様に、薬局は今後さらに進化を続け、多種多様なサービスを提供するようになると予測されます。同時に、保管、調剤する医薬品に起因する特有のニーズもあり、セキュリティと監視が極めて重要です。

それでも、薬局を訪れる人に安全で利便性が高く快適な店舗体験を提供し、さらなる利用を促さなければなりません。ネットワークビデオソリューションは、損失の防止、規制コンプライアンス、安全な雰囲気作りを通じて、このような取り組みを支援し、この先何年も、ビジネスの成長と収益性の維持に貢献します。

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