ネットワークビデオと音声の選択が持続可能性に与える影響

あらゆる産業において、持続可能な活動を採用する企業が増えています。これは、小売業の顧客から交通機関や医療などの公共サービスの利用者に至るまで、消費者によって大きく推進されています。また、投資家や政治家、運動家、著名人など、より広いステークホルダーによっても、持続可能性の向上が推進されています。

環境への配慮は極めて重要ですが、現在、持続可能性は、単なる社会的要件や経済的要件にとどまらない、はるかに多くの要素を包含しています。世界的に広く知られている持続可能な開発目標 (SDGs) が国連グローバル・コンパクトによって発表され、企業の実際の行動が要求されています。うわべだけ環境保護に熱心に見せるグリーンウォッシュが悪評につながる可能性があるのと同様に、消費者は、持続可能な慣行が企業のあらゆる活動に及んでいるかについても注目しています。

ネットワークカメラは事業活動を支えるテクノロジーの一つに過ぎませんが、企業においては、持続可能性の価値を支持する、信頼できるテクノロジープロバイダーをパートナーに選ぶことが重要です。持続可能性に欠けるパートナーシップは、企業の信用の毀損につながるおそれがあります。つまり、テクノロジーメーカーとしては、環境への影響を最小限に抑えた製品を開発するとともに、あらゆる関係を通じて倫理的な行動を実証する必要があります。

企業や市当局などの組織は、最適なカメラプロバイダーと連携することで、提供するサービスの持続可能性を高めることができます。そのためには、最適なテクノロジーを提供できるだけでなく、持続可能性に関して信用があるサプライヤーを選ぶ必要があります。

 

尊重と保護

企業があらゆる関係を通じて持続可能性の目標を達成する上で鍵となるのが、人々の尊重です。すべてのサプライヤーと同様に、カメラテクノロジープロバイダーは、自社の従業員だけでなく、サプライヤーとの関係においても、機会均等から安全衛生まで、揺るぎない法的枠組みに従う必要があります。カメラテクノロジーは、企業における従業員の安全確保にも貢献します。

装着式カメラは、過激な行動の抑止手段になり、救急サービスから医療機関にいたるまで、職員の保護に役立ちます。カメラを使用してリモートモニタリングを行い、複数の場所を効率的に監視することもできるため、オペレーターが単独で勤務していたり、高電力の機械装置が稼働していたりするような高リスク区域で、安全で持続可能な環境を実現することができます。

効果的なカメラネットワークは、一般市民の安全性も高めます。この場合、すべての人、特に脆弱な人々に開かれた安全な場所を提供するという持続可能性の目標の達成にも、テクノロジーが役立ちます。状況認識を改善してくれるカメラは、抑止手段となり、違法行為が発生した場合には捜査能力を高めてくれるため、より安全な都市の実現に貢献します。カメラで生成されたデータに基づいて犯罪の傾向を予測し、防犯対策を実施して、安全を強化することもできます。

道路に目を向けると、国連の持続可能性目標として、事故による死傷者数の半減が挙げられています。事故が起こりやすい区域を特定して防止対策を強化し、違反行為を検知して安全性を高める上で、カメラは決定的に重要な役割を果たします。カメラは、事故の発生時に救急隊を迅速に出動させるのに欠かせないツールです。

 

地球環境の保護

カメラは安全とセキュリティの強化という基本的な役割を担いますが、カメラというデバイスの生産に用いる材料や工程についても持続可能性を確保することが重要です。ネットワークカメラのメーカーは、可能な限り環境に配慮した材料やリサイクル材料を使用し、有害物質を除去する必要があります。耐久性に優れたカメラの製造は、長いライフサイクルの確保にもつながります。新機種に交換する場合も、長持ちするカメラであれば、循環経済によって別の用途に転換することができます。

CO2と化石燃料の削減目標の明示は、サプライヤーに課せられる共通の要件であり、カメラテクノロジープロバイダーの選択においても、この点を考慮する必要があります。カメラを利用して排出量関連データを収集し、分析することができるため、適切なテクノロジーの採用は、企業における環境の持続可能性目標の達成にも貢献します。

このアプローチは、都市と都市計画において、特に有効です。都市は最も多くエネルギーを消費し、排出量が最も多い場所だからです。たとえば、ヨーロッパの各都市では、排出量に基づく使用状況の監視や、交通管制の最適化が一般的なアプローチとなっています。カメラで車両の利用を管理することにより、混雑を減らし、大気品質を改善するとともに、都市におけるCO2排出量を削減することができます。

カメラは、重要インフラやその他の産業施設における事業効率の最適化と安全な環境作りにも役立ちます。これは、過剰なガスの燃焼によるCO2排出や、油や化学物質の有害な漏出が起こりうる産業施設内の特定区域を監視することで達成されます。

カメラネットワーク自体を最も効率良く稼働させるには、データ圧縮テクノロジーを使用してフォレンジック調査に必要なディテール、完全な解像度、フレームレートを保ちながら、エネルギー消費量を低減します。

 

責任あるイノベーション

カメラで収集するデータは、企業における持続可能性の向上に役立ちますが、そのデータを保護することが、法的、倫理的な観点から極めて重要です。監視カメラを通信ネットワークに接続すると、サイバー犯罪者によってネットワークへの入口として使われるリスクが生じます。テクノロジーイノベーションの重要な側面である、強力なサイバーセキュリティにコミットするネットワークカメラプロバイダーをパートナーにすることが極めて重要です。

特に、セキュリティ、監視テクノロジー市場においては、人権を侵害せず、プライバシー法に違反しない、倫理的な目的のみでイノベーションを行うパートナーと提携することが重要です。カメラテクノロジーの開発は、倫理的慣行を支持するEUなどの地域におけるGDPRや行動規範などの枠組みに沿って行う必要があります。

革新的なテクノロジーの開発の結果、プロバイダーとサービス利用者の双方にとって品質と使いやすさが向上した、より持続的なサービスが実現する可能性があります。たとえば、カメラを使用してセキュリティを確保することで、24時間年中無休の、いつでも安全に利用できる、利便性の高い無人小売店舗を実現することができます。カメラを使用する場合、人工知能 (AI) などのテクノロジーでセキュリティを最適化することができますが、倫理的な開発とは、ソフトウェアの内部で行われる検出や動作にバイアスが含まれず、監視される市民のプロファイリングが行われないことを意味します。

 

信頼できるパートナー

持続可能なビジネス関係を構築するには、お互いを信頼するというコミットメントが不可欠です。どのサプライヤーとの関係においても、贈収賄や汚職などの犯罪的取引を含む非倫理的な慣行を防止する上で、信頼は極めて重要です。カメラテクノロジーパートナーを選択する際、独立機関が各社の持続可能性を評価したEcovadisランキングが有益な指標になります。

コミュニケーションや情報共有における誠実さとオープン性も、テクノロジーパートナーシップにおける信頼の拠り所となります。持続可能性とは、オープンプラットフォームでネットワークカメラ技術が構築され、より容易な、透明性の高いデータ共有が可能であることを意味します。オープンソースプラットフォームは、長期にわたる拡張性の高い開発が可能であることも意味します。

 

持続可能なネットワークカメラプロバイダー

倫理的なカメラテクノロジープロバイダーとのパートナーシップは、サプライチェーンに存在する数多くの関係の一つに過ぎませんが、持続可能性を確保するには、正しい選択を行うことが重要です。信頼できるネットワークカメラプロバイダーは、企業独自の持続可能性プログラムの推進に役立つだけでなく、最適なテクノロジーパートナーを選ぶことによって、環境、社会、経済のすべての分野で事業運営の持続可能性を強化できる可能性があります。

Axisは、ネットワークカメラ業界において、技術イノベーションと持続可能性の基準の確立を推進しています。Axisの持続可能性のコミットメントの詳細については、こちらをご覧ください。

Sustainability Commitments