競技場の安全を守るスマートテクノロジー

さまざまな音、期待感、仲間や対戦チームのファンとのつながりなど、競技場で得られる体験は、多くの場合、実際のイベントと同じくらいに、場合によっては、それ以上に重要かもしれません。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行によって、私たちの多くが、ファン仲間と一緒にスポーツを生で観戦する楽しみをいかに当たり前の事と思っていたかに気付かされました。再び競技場を訪れることができるようになった今、この体験は新鮮さを増しています。

2022年はサッカーにとって重要な年です。英国で行われた女子サッカーのユーロ (欧州選手権) が大成功を収めたのに続いて、11月、12月にはカタールで男子ワールドカップが開催されます。女子サッカー選手権は記録的な動員数を達成し、ワールドカップも多くの観客を集めることが確実であるため、主催者にとって、ファンの安全と快適性は引き続き最優先事項です。

新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行中に得た教訓から、スポーツを生で観戦する観客の安全衛生を確保する目的で、いくつかの重要な変化が起こっています。ここでは、競技場で実施、検討されるようになった慣行を紹介します。

 

駐車場

多くの観客にとって、試合当日の体験に大きく影響するのが、イベントに先立つ駐車場での出来事です。ネットワーク監視カメラにより、保安部門は、駐車場の状況を包括的に捉えることができます。ビデオ、音声アナリティクス、ホーンスピーカーを追加すると、群衆の数が望ましい規模を超えた場合や、他の観客の迷惑になりかねない反社会的な行動が見られた場合、保安部門にアラートを送信し、安全上のリスクを未然に防止することができます。スタッフは、手に負えない状況にならないうちに物理的に介入するか、騒いでいる人たちに館内放送で警告するかを判断することができます。

 

ゲート

新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行以前から、多くの競技場で、チケットの印刷や郵送のコストを節約する目的でEチケットが採用されていました。チケットの半券を記念に取っておくことができず、残念に思う人もいるかもしれませんが、ゲートで紙片をやり取りするよりも、スマートフォンをスキャンする方がはるかに衛生的です。

競技場への入場時間を段階的にずらす目的でも、スマートフォンの利用が注目されています。従来のようにゲートが開いた瞬間に人々が殺到するのではなく、競技場側がスマートフォンアプリを通じて、特定のゲートで列に並ぶよう、時間別に通知を送ることができます。

待ち行列管理アナリティクスを追加すると、入口で発生した渋滞にリアルタイムで対応することができます。それほど混雑していないゲートに一部の観客を誘導する必要があれば、スタッフに自動的にアラートを送信することができます。

 

競技場内

観客とスタッフの安全確保に真剣な競技場では、タッチレス化、キャッシュレス化が進んでいます。独自の「クリック&コレクト」を導入して、オンラインでの商品の購入、実店舗での受け取りを可能にして、飲食物やグッズの売り場に観客が群がり、通路が混雑するのを防止する競技場が増えています。観客は、飲食目的で通路に集まるのではなく、スマートフォンで注文と精算を済ませ、注文した品が受け取り可能になったら通知が届きます。注文した品を受け取ったら、それぞれの席に戻って飲食するのが新常態、すなわち、ニューノーマルです。

新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行を機にタッチレスエクスペリエンスが出現した結果、競技場のトイレにも非接触式のドアスイッチ、水道蛇口、紙くず容器が備え付けられるようになりました。施設によっては、特定の時点におけるトイレの利用者数を追跡し、制限する目的で、ビデオアナリティクスとネットワークスピーカーも利用しています。

VIPラウンジやバーでは、地域の規定に従って集合規制を行う目的で、在室管理アナリティクスも利用されています。集まった人数が閾値に達すると、自動的にアラートを受信した競技場スタッフが、少人数のグループに分けることができます。

競技場におけるインテリジェントなネットワークビデオテクノロジーは、安全衛生だけでなく、以下のように、運営全般にわたる状況認識の向上にも貢献しています。

  • 選手控室、報道席、VIPルーム、厨房などの立ち入り規制区域に無断で侵入しようとする人が動体アナリティクスによって検知された場合、保安部門にアラートを送信
  • 厨房を監視し、スタッフが飲食物の調理や取り扱いの際に適切な安全衛生手順に従っていることを確認
  • 売店やショップにおける人の動きを監視し、万引きや無断持ち出しを検知
  • 荷受け所への納入状況を記録し、食い違いを解決するための証拠を提示

 

イベントからの退出の管理

ホームチームが負けている場合や、最終結果を見るまでもない一方的な試合になった場合、観客は渋滞を避けるため、早めに帰ろうとします。観客に不自由な思いをさせずに安全衛生基準を順守することができる戦略が求められています。音声による重要連絡を通じて、すべての人に必要な情報を提供し、安全衛生を保ちながら大群衆の動きを管理する上で、テクノロジーソリューションが役立つ可能性があります。

 

ニューノーマルと新たな課題

新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行の沈静化後は、いかに観客を呼び戻すかという経営中心の議論が盛んでしたが、競技場のセキュリティの重要性が失われたわけではありません。より高度な安全衛生が求められるニューノーマルへの対応を意図した経営改善策をセキュリティの観点から見直し、予期せぬ結果を招かないようにする必要があります。

活況を取り戻した競技場は、以前は予想もしなかった新しい課題に直面していますが、インテリジェントなネットワークテクノロジーを利用して、興奮と栄光に満ちたエクスペリエンスを余すところなく観客に提供しています。

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