明日のスマートシティに向けた現在の頼れるテクノロジー

Andreas Göransson

都市は絶えず流動しています。質の高い生活を市民が送れるよう、都市開発を進める市当局は都市化の進行など、将来的なトレンドにも備える必要があります。

都市では、テクノロジーとデータを利用して分析、優先度付け、意思決定を行い、可能な限り効率的に資源を利用しています。しかし、予期せぬ状況や事象の発生により、長期のトレンドや優先事項が急速に変化する場合があります。パンデミック、事件、自然災害の発生とともに住民の行動が変化するため、その時々の状況に対処できる柔軟性や適応性を備えたツールに市当局はたよることになります。

都市のスマート化において、テクノロジーが鍵となるのは今後も変わらないでしょう。都市に導入された多くのテクノロジーの中でも、監視システムは重要な役割を果たしています。監視システムは、市当局が都市生活を把握するための目や耳となっています。

 

柔軟で拡張性に優れたソリューションによる都市のスマート化

安全はすべての都市に課せられた重要な責務で、常に守られている安心感は市民の主要な権利です。しかしスマートシティプロジェクトを実施するにあたり考慮すべき点は、安全だけではありません。新たな課題が次々と浮上する現在、我々は従来型の都市運営モデルから脱却する必要に迫られています。従来型とは、交通や保健衛生などの各部門がサイロ化しそれぞれの分野に特化する都市運営モデルです。

たとえば、ネットワークカメラについて考えてみましょう。ネットワークカメラは現在、ビデオ監視による公衆安全の強化に使われていますが、交通管理や環境モニタリングのデータ、統計情報の収集にも利用できます。パンデミックが始まってからは、監視システムの構成を少し変えるだけで、ソーシャルディスタンスの実施状況を監視できるようになっています。また、システムに統合されたホーンスピーカーは、新しい規定についてのお知らせや情報の伝達に使われています。

オープン規格に基づいて構築されたソリューションは、柔軟性と拡張性に優れ、統合が容易です。オープンテクノロジーを利用しているため、サイロ化されたデータ環境の枠を超え、複数の用途に応じて、複数部門の目標達成を1台のデバイスで可能にします。AXIS Camera Application Platform (ACAP) などのオープンプラットフォームを使用して、世界中の都市のニーズや目標に合わせたネットワークカメラ用アプリケーションをパートナー企業は開発することもできます。

 

先進的な機能で市当局の職員をサポート

判断の基準となる高品質な画像の取得を考えると、カメラの導入先としての都市は特に複雑な環境です。物体や人の動きが絶えず、明るさや気象条件が刻々と変化する都市で信頼性の高いデータを入手するのは、非常に困難です。

都市全体でこのような難題を解決するために、特定の技術が開発されています。Lightfinderワイドダイナミックレンジはその一例であり、撮影が難しい低照度条件や逆光条件に対処します。また、電子動体ブレ補正は、風や交通による振動の影響を最小限に抑えます。これらの機能によって、環境を問わず、撮影画像が常に高品質に保たれます。

将来のソリューションの構築には、製品と画像の品質が重要です。基本的な監視目的で、特定用途を前提に導入されたカメラでも、人の動きが絶えない環境での混雑管理アプリケーションに利用される可能性があります。

監視カメラがインテリジェントセンサーの役割を果たすケースが増えています。特に、深層学習に基づくエッジ分析を使用すると、ビデオ監視の性能が増大します。このようなビデオ分析は、危機的な状況や暴力事件の発生を「予見」し、ネットワークオーディオスピーカーを通じてメッセージや警告を流し、情報を拡散します。同時に、状況を注視し、必要であれば介入するよう保安スタッフや警察にアラートを出すことができます。

 

都市における移動性を改善し、より安全な都市を実現

事件の発生に至らなくても、混雑した状態は、都市環境の問題になります。交通や、公共空間において、混雑管理は安全対策の重要な優先事項です。ソーシャルディスタンスを保たなければならない場合は特にそうです。これは短期的なものではなく、今後も必要なニーズとなるでしょう。

たとえば、公共の催し物など、特定の場所での人の動きや人と人との距離の監視に、ネットワークビデオソリューションとビデオ分析の組み合わせが役立ちます。ある場所が特に混雑していたり、指示が無視されていたりする場合、システムによる警告や、必要な措置に関する統計情報が生成されます。

混雑は、群衆に限った問題ではありません。人口過密な都市では効果的な交通管理が必要です。交通の流れを最適化し、安全性を高める上で、柔軟性に富むビデオ監視が中心的な役割を果たします。道路を走る車両の台数や種類が時間帯によって変化する場合は特にそうです。

人工知能 (AI) や深層学習を利用したビデオ分析と監視テクノロジーの組み合わせは、道路の監視に役立つだけでなく、予測型のビューを実現します。交通管理センターでは、このビューを利用して、リアルタイムに交通を管理し、ボトルネックやそれによって発生する渋滞を防止できます。高度なAIソフトウェアを追加すれば、車両、人、物体の区別がさらに改善され、潜在的な事件や事故のリスク検知に役立ちます。自転車や歩行者の増加に伴い、その重要性はさらに高まります。

 

市民のニーズに応じた都市の移動性の変化

スマートシティにおける交通ニーズが転換期を迎えています。市民生活の快適性を高める、環境に配慮した、安全で革新的なインフラが求められています。現在のパンデミックを例に取ると、多くの人が、感染リスクを減らすため、公共交通機関の利用を控えるようになっています。その結果、徒歩や自転車での移動を選ぶ人が急速に増え、パリやミュンヘンなどの都市では、道路のレイアウトが一部変更されています。たとえば、通行量の多い道路では、自転車、自動車、ライトバン、トラックが同じスペースに混在することによるリスクを軽減するため、自転車専用レーンが導入されました。

市当局は、ビデオベースの交通管理ソリューションによるデータを解析して、このようなトレンドを早期に発見し、通行量の緩和や道路レイアウトの変更などの安全対策を実施することができます。短期間だけの一時的な需要が長期にわたる持続的な変化につながり、市民や環境にメリットがもたらされる可能性があります。

 

未来のサスティナブルな都市に対応

サスティナビリティ(持続可能性)は今後も常に重要な優先事項であり、都市で行われるすべてのプロセスに関係します。どのようなソリューションを導入するにも、環境を配慮した材料で作られ、持続可能なサプライチェーンから供給される製品を使用する必要があります。運営当局、供給業者、エンドユーザーの立場でも、長期にわたって使用できる可能性が高い、高品質な製品を選ぶ必要があります。そうすれば、最終的に、修理や交換が少なくなります。

オープンアーキテクチャに基づくスマートシティ監視ソリューションも、サスティナビリティ(持続可能性)の目標の達成に貢献します。市当局は、複数の異なるパートナー企業の製品や、各種のハードウェア、センサーを組み合わせることができます。このような柔軟性は、長期的な視野に立つアプローチを実現し、アップグレードによる機能拡張を見込んだ投資を可能にします。

 

スマートシティで将来に備える

都市の安全性とセキュリティの向上を目指して、コネクテッドなビデオ監視システムはすでに様々な形で利用されていますが、ネットワークにデバイス、センサー、ソフトウェアを追加できる、先進的なオープンシステムの投資価値を理解することは重要です。このようなシステムであれば、既存の用途だけでなく新しい用途へも容易に最適化ができます。スマートシティは今後のニーズや課題に対応し、最適な形で進化していくでしょう。アクシスは、スマートシティを実現する革新的なソリューションの開発に引き続き全力で取り組みます。

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