小売業におけるアクセスコントロール: 統合型ソリューションによる拡張性とセキュリティ

Carl Staël von Holstein

小売環境は絶え間なく変化しています。小売企業は、市場ニーズの変化に適応すると同時に業務効率を高めることができる最適化手段を模索しています。モノのインターネット (IoT) を利用したデバイスとテクノロジーの接続により、多くの新しい機能を作り出す可能性がもたらされ、その結果、小売企業では、インテリジェント技術を応用して、プロセスをスマートにしたり、重要課題に対応したりすることが可能になっています。

その一例であるオープンIPネットワークを利用したアクセスコントロールにおいては、今では、単なるドアの開錠をはるかに超えた機能を実行できるようになっています。ネットワークインターコム、カメラ、センサーが相互に通信し、そこにスマートアナリティクスが加わることによって、アナログシステムや独自仕様システムの基本機能とは比べ物にならない、クリエイティブなソリューションを開発することができます。

 

小売ソリューションの鍵は、依然として拡張性

小売企業が直面する課題の1つが、市場の需要に応じて規模を拡大できる能力です。店舗のサイズや数を迅速に拡大できれば競争上有利ですが、セキュリティソリューションも同じペースで追随しなければなりません。オープンIPベースのアクセスコントロールであれば、システムに存在するドアが1か所でも1,000か所でも、拡張性と将来への保証が確保されます。要件が変化した場合にも、インターコムなどのデバイスや新しい機能を簡単に追加することができます。

これを実現する鍵が、オープンな共通規格とテクノロジープラットフォームです。サードパーティによるソリューションを取り入れることで、各部分の和を大きく上回るソリューションを実現することができます。このようなプラットフォームは建物のスマート化に向けた大きな前進であり、小売企業のニーズの変化に応じて増強できる、確固たる基盤になります。

 

出入りの多いエリアにおける内部ワークフローの管理

小売企業にとって、課題は拡張性だけではありません。店舗、商品倉庫、事務管理部門など、施設内の様々なエリアへの立ち入りをシームレスに、安全にコントロールする能力も重要です。俊敏性に優れた実績あるビデオプラットフォームにIPベースのアクセスコントロールシステムを導入すると、小売業向けの興味深い用途がいくつも実現します。一例として、実質的にあらゆるタイプの認証情報を使用して、ドアの開閉や機能の操作を行うことができます。

このコンセプトは、車両による商品の納入と集荷が絶えず行われている配送業の分野で、すでに実際に利用されています。

  • 通常、配送会社が、車両の到着に先立って該当車両を登録しておきます。営業時間中、配送トラックが到着し、カメラに搭載されたナンバープレート認識アプリケーションによって識別されると、ゲートが開きます。
  • 夜間は、さらにもう1つのセキュリティ層が追加されます。カメラがトラックを認識すると、直ちに警備室にアラートが送信されます。オペレーターが視覚で確認を行った上で、ゲートをリモートで開けます。

このシナリオは、店舗でも、特に商品倉庫のように、スタッフが頻繁に出入りする場所に応用することができます。カメラに搭載されたQRコードアプリケーションによって、バッジや衣服に特定のQRコードが付いたスタッフの入室が許可されます。この場合のメリットは、たとえば、倉庫と販売フロアの間をスタッフが行き来して商品を運ぶときでも、非接触で簡単にドアを開けることができます。このようなタッチフリーのアクセスコントロールは、店舗の衛生面にもメリットをもたらします。

 

小売業のセキュリティと顧客エクスペリエンスの両方に対応

内部プロセスを自動化すると、プロセスが容易になると同時に、条件に関わらず、一貫したプロセスが実行できるようになります。ピーク時間帯の店内は非常に忙しく、スタッフは接客に追われ、高水準なサービスを顧客に提供しなければなりません。その結果、高額商品エリアの監視など、本来スタッフが行うべきセキュリティ対策が二の次になりかねません。適切なテクノロジーを利用すれば、別の部分に注意を向けざるを得ない場合にも、スタッフを適切にサポートできるようになります。

使いやすく強力なアクションルールエンジンを、ビデオ、アクセスコントロール、オーディオに組み合わせる形で使用すると、一般にプログラミングが面倒で、時間のかかるルールやトリガーも設定することができます。

たとえば、高級品を取り扱う小売店では、高額商品を収めた引き出しが開けられる際には、スタッフの注意力のレベルを上げることができます。引き出しが開けられた時点で、スピーカーを通じて従業員の控室にアラートを送るように設定することができます。引き出しとその周辺を捉えたカメラ映像が、バックオフィスのモニターに自動的に映し出され、一連の動きをリモート監視することができます。

 

営業時間全体にわたり、需要の変化に対応

小売店では、需要に対応するため、営業時間の延長が望ましい場合があります。その手段として、無人の営業時間を設けるか、完全に無人のソリューションを導入することが考えられます。この場合、統一されたIPベースのシステムが重要な役割を果たします。店舗では、印刷したQRコードを入口で使用して、電子IDを持つ顧客に本人認証を促し、それによって顧客が入店できます。店内では、IPオーディオを使用して、ターゲットマーケティング用のメッセージを再生して顧客エクスペリエンスを強化するとともに、店内モニターに「いらっしゃいませ」のメッセージを表示できます。

インシデントが発生した場合、このようにビデオとアクセスコントロールがシームレスに連携するシステムは、調査に計り知れない利点をもたらします。たとえば、会員カード保有者が入店を拒否された事例を検索することができます。こうした状況はログに記録されるだけでなく、該当する事象を示すタイムスタンプ付きのビデオ映像も残ります。この情報のおかげで、事件の詳細を把握するために2つの異なるデータベースを検索し、2種類の情報を照合する必要がなく、最終的に時間とリソースを節約することができます。

 

未来の小売業にインテリジェントアクセスコントロールが果たす役割

小売業が進化し、絶えず変化する需要や顧客の嗜好への適応を図るにつれ、特にアクセスコントロールに関して、拡張性の高い統合型ソリューションの需要が増大します。小売企業は俊敏性が求められ、スタッフ向けにも顧客向けにも、提供するサービスを素早く最適化できなければなりません。ビデオとアクセスコントロールのインテリジェントな組み合わせは、実現される機能の向上を考えれば合理的であり、小売企業が競争力を獲得し、維持していくのに適切なテクノロジー投資と言えるでしょう。

アクセスコントロールソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。

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