コロナ禍の中でも、またその後もスポーツを応援する、ビデオストリーミングの可能性

本稿は、Spiideo社のCEO、Patrik Olsson氏による寄稿記事です。筆者については末尾の筆者紹介をご覧ください。

COVID-19が大手スポーツ団体と試合運営に及ぼした影響については、広く報道されています。対策が不十分であったことから、数十億ドルの放送契約が危うくなり、シーズン試合の多くがすでに終わる時期にも関わらず、スタジアムの閉鎖によって各団体に数億ドルの損失が生じる見通しです。しかし、最も深刻な影響が予想されるのは、下位リーグ団体、アマチュア大会、少数派スポーツなど、スポーツ界の裾野の部分です。

ソーシャルディスタンス対策の実施により、当分の間、通常の収益源が断たれた状態が続くことが予測される一方、ビデオストリーミングは、新たな収益を創出し、スポンサーを納得させ、ファンの関心をつなぎとめる機会を提供します。

 

スポーツに新たな可能性をもたらすビデオストリーミング

収益の減少により、すでに米国ラグビー協会が破産申請を余儀なくされ、英国ブリティッシュ・バスケットボール・リーグも同様の結末を迎えるのではと危惧されています。コロナ禍が長引くほど、COVID-19による財政難の犠牲となる団体は増えていくでしょう。

特に、巨額のテレビ放送契約や手厚い保険とは無縁なクラブやリーグは、失われた試合収益に代わる新たな収益源が必要です。日頃、個別訪問やイベントに頼って活動資金を集めている団体であれば、その必要性はさらに大きいでしょう。スタジアムの閉鎖中、クラブは、ファンのライブストリームへのアクセスに一定の料金を課金し、試合収益を継続的に生み出すことができます。

ライブストリーミングは、スポンサー側にも明白なメリットがあります。クラブ特製のグッズ、スタジアム内の広告、試合の放送を通じたブランド戦略がコロナ禍で不可能になったスポンサーにとって、ライブストリーミングの試合は、ファンにアクセスできる新しい広告チャネルになります。たとえば、Spiideo Playを使用して、クラブが制作する番組に、スポンサーのブランドやメッセージを織り込むことができます。スポーツが通常の状態に戻った後も、この機能によって新たなインセンティブが生まれ、コロナ禍からの回復とともに、クラブが新規スポンサーを誘致しやすくなります。

自動化されたライブストリーミングは、スポーツ団体にとって即戦力となるだけではありません。Spiideoの観察によると、コロナ禍において、メディア企業からの関心も高まっています。従来、ローカル報道局では、記者をスタジアムに派遣して試合の映像を撮影し、音声解説を付けるのが一般的でした。コロナ禍でも試合の放映が続けられることに加えて、自動化によってスケールが拡大できるという事実を多くの人が実感しています。メディア企業は、AIの利用によって、さらに多くの映像を自動撮影することができるようになり、満足度の高いサービスを視聴者に提供できます。

 

放送品質のスポーツストリーミング

テクノロジーの進歩により、ライブストリーム機能がはるかに簡単に、短時間で導入できるようになっています。Spiideoは、この目的でAxisのネットワークカメラを利用し、AI技術と組み合わせ、プレイのあらゆる瞬間を捉えます。自動ライブスポーツストリーミングソリューションSpiideo Playを使用すると、最小限の入力で放送品質のライブスポーツ番組を制作することができます。

分かりやすいWebベースプラットフォームを通じて今後のストリームをスケジューリングし、料金を設定することができます。定期番組が始まる時点では、これらの機能がすべてのプラットフォームに保存されています。各チームは、Spiideoのソリューションを使用して、放送を完全に制御し、文字情報や音声解説を追加して、高品質な番組を最小の労力で制作することができます。具体的な方法については、こちらをご覧ください。

 

スポーツ放送の未来

COVID-19の発生を機に、スポーツ業界の多くの企業が、ファンの関心をつなぎとめ、新しい収益源を生み出す手段を模索するようになりました。Spiideoは、素早く、簡単に導入できるプラグ&プレイ式のソリューションを用意しています。ライブストリーミングは、新しいソリューションに対する差し迫ったニーズに応えます。

コロナ禍が続く間、ライブストリーミングが様々な利点を即時にもたらすことは明らかです。こうした利点の多くは、コロナ終息後も引き続き有効です。スタジアムが再オープンしても、自宅でくつろぎながらスポーツを観戦したい人々は、ライブストリームを継続して利用するでしょう。スポンサーがアクセスできる範囲が広がり、スポーツイベントの放送プロセスは簡易化されます。

パンデミックの発生とともに、様々な業界に永続的な変化が起こると予測されています。専門のカメラマンや制作スタッフを必要としない、高品質な番組制作が可能な新しいソリューションによるスポーツ制作の自動化は、間違いなくその1つに数えられるでしょう。

詳しい情報と問い合わせ先は、SpiideoのWebページhttps://www.spiideo.com/をご覧ください。

Patrik Olsson氏は、世界中のスポーツコミュニティ向けに先進的なスポーツ制作、解析ソリューションを提供するSpiideoの共同設立者兼CEOです。Spiideoの設立以前は、10年以上Sonyの要職を務め、Ericssonチームの一員として、Bluetoothのプロトタイプ開発と標準化に従事しました。