駐車問題を解決して、安全で住みやすい都市を実現

大きな町や都市に住んでいる方や、訪れたことのある方なら、車で大都市に到着したときに駐車スペース探しで苦労した経験があるのではないでしょうか。駐車スペースを探して何十分もうろうろして、家族との楽しい時間を無駄にしたり、仕事に遅れたりといった経験をした方も多いでしょう。重要な会議の前に駐車スペースを探したり、お腹が空いていたり疲れている子供と一緒に空きスペースを探すのは、たいへんストレスの多い状況です。この「駐車場問題」は、イライラやストレスをドライバーに与えるだけでなく、より深刻な状況を生むこともありますので、都市が取り組むべき問題と言えるでしょう。

都市部の人口は過去10年間で着実に増え続けています。それだけでなく、2050年には、世界人口における都市部の人口は64億人以上に達すると予測されています。都市に人口が集中すれば、過密化した都市を走る自動車の台数も増加し、都市の駐車事情は悪化する一方です。

さて、未来都市構想である「スマートシティ」では、複数のシステムやデータサイロを接続して、都市における全体的なアクセシビリティの改善や駐車リソースの効率的な利用を実現することができます。新規のテクノロジーに巨額の資金を投じる必要もなく、既存の監視テクノロジーを利用して問題を解決し、状況を改善することができます。

 

ささいな要因?でも住みやすさに大きく影響する駐車問題

交通機関や輸送手段は一般的に、都市の住みやすさを左右する重要な要素です。ドライバーにとって、駐車スペースにアクセスしやすいことは欠かせない条件ですし、宅配業者にとっても同じです。都市の中で駐車スペースが適切に管理されていないということは、ストレス以外にも、例えば、駐車スペースを探す車が道路をゆっくり走行して交通渋滞を悪化させたり、違法駐車が増える原因にもなって、効率面でも悪影響を及ぼします。また、このために緊急車両が通行できないということがあれば、生死に関わる事態になりかねません。

また、こうしたノロノロ走行や、配送業者がエンジンを切らずに違法停車を行うなどすることは、渋滞や交通トラブルを招くだけでなく、大気汚染や騒音の原因にもなります。

 

駐車問題をマネージするには

都市向け駐車管理ソリューションは、ビデオ監視、分析(アナリティクス)、データから構成されます。

すでに多くの都市で導入されているネットワーク監視カメラを、特殊な分析アプリケーションで機能拡張すれば、違法駐車を通知したり、ドライバーを空きスペースへ誘導することができます。

例えば、分析アプリケーションを使ってあらかじめ検知ゾーンを設定しておいて、無許可の車両がここへ長時間停車した場合には、自動的に検知してアラートをあげることができます。このアラートが管理当局や警察に送信されれば、警察は状況を確認した上で、車両を移動させることができます。このように、カメラを利用したソリューションは、違反を検知するだけでなく、渋滞や規制にも役立ちます。

ほかにも、監視カメラと分析アプリケーションを組み合わせて、駐車スペースの空きを確認できます。このソリューションをナビゲーションアプリと接続すれば、ドライバーを効率的に空きスペースへ誘導できるようになります。ドライバーにとっては時間の節約になりますし、居住者や訪問者にとっても渋滞の緩和になりますので、都市の快適性がぐっと高まります。

また、コネクテッド・データやシステムと接続して機能を拡張することもできます。たとえば、駐車場管理システムに、支払いアプリとナンバープレート認証システムを組み合わせれば、駐車料金を自動的に支払う機能を追加することができます。時間の節約になりますし、出庫のプロセスがスマートになります。

ナンバープレート認証と許可車両の車番をマッチングしておけば、指定車両以外の車両が指定ゾーンに駐車していることを検知できますし、ほかにも、制限付きスペースに停車している車両を検知するといったこともできます。担当者が検知を受け、車両の移動を命じたり、ドライバーに移動を指示できます。

リアルタイムデータと履歴データを分析して、特定エリアの混雑ピーク時間を予測すれば、予備の駐車スペースを開放したり、ドライバーに駐車場の空きがないことを事前に知らせて迂回を指示するなど、混雑に備えることができます。分析に人工知能を追加すると、到着時に、駐車スペースの空きがある可能性が最も高い駐車場を予測することもできます。このように車の流れを適切にコントロールできれば、「ようやく駐車場に着いたのに満車」といったストレスを回避し、混雑の悪化を避けることができます。

 

実現可能なゴール

過密化する都市環境では、効果的な駐車場管理が欠かせません。交通事故と駐車違反の減少、市民の安全・安心を守り、ストレスを軽減して、環境も改善できる。これらは、生活の質の向上に直結することです。都市部ではインフラやテクノロジーの活用が進んできており、十分に実現可能であると言えるでしょう。

 

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