パノラマカメラ: 総所有コスト削減の実用的な手段

複数の固定カメラを少ない台数のパノラマカメラに置き換えて、同じエリアを撮影する。最近、このような形でシステムを更新する企業が急速に増えています。

その理由は、パノラマカメラが画質を犠牲にすることなく、コスト面で多くのメリットをもたらすからです。パノラマカメラに切り替えることによって、ソリューションの耐用期間全体を通じて、デバイスの総所有コストを大幅に抑えることができます。

総所有コストを削減できる仕組み

コストを節約できる第一の理由は、パノラマカメラなら1台で360度の視野が得られるからです。複数のカメラを購入、設置し、保守を行い、撮影範囲を同じレベルに設定する必要がありません。これは直ちに節約に結び付きます。さらに詳しく見ていくと、コストと時間の節約効果の大きさがはっきりと分かります。

テクノロジーの進歩の結果、高解像度マルチセンサーカメラでは、1つのチップで複数のセンサーを制御できるようになりました。すでにこの時点でコストの節約になっています。複数のカメラを使用するソリューションでは、カメラごとにチップが存在し、必要なコンポーネントの数の点でコストが上昇するだけでなく、複数のチップに電力が供給されるため、エネルギーの消費量も多くなります。

しかも、パノラマカメラでは、設置に必要なケーブルは1本のみ、必要なVMSのライセンスは1つだけ、セットアップするデバイスも1台のみです。メンテナンスにおいても、ケーブルを1本しか使用していないため、問題のある箇所を簡単に特定できます。修理以外でも、パノラマカメラの多くが、目標とする場所を確実に撮影できるよう、遠隔から焦点を変えることができます。また、現在のパノラマカメラは非常にコンパクト化しており、ほとんどの環境に問題なく導入することができます。

継続的な運用の面から見ても、パノラマカメラは、頻繁にレイアウトを変えたり、監視のニーズが変化する企業の場合は特に、非常に柔軟性の高いソリューションと言えます。従来型のカメラの場合、適切な場所に設置されなかった場合、ユニットを別の場所に物理的に移動する必要がありますが、多方向パノラマカメラであれば、撮影対象に合わせて向きや角度を調整することができ、物理的に移動する必要がありません。

ルーマニアのビール会社Ursus Breweriesは、パノラマカメラの導入によって効率を高め、コストを削減しました。同社では、3か所の大規模拠点と1か所の地ビール醸造所で2,500人の従業員が働いています。ビールの生産という事業の性質上、生産プラント全域における従業員の安全性は重要度が高く、緊急事態が発生したときに工場のフロア全体を視覚的に把握できることが不可欠です。パノラマカメラを新たに導入した結果、以前のように1か所を監視するのに4台のカメラで4つの映像をストリーミングするのではなく、1台のパノラマカメラで同じ場所を連続した映像で表示できるようになり、醸造所の監視が容易になっています。Ursus BreweriesでAxisのソリューションがどのように利用されているかは、次のビデオでご覧ください。

パノラマカメラには、必要なストレージ容量や帯域幅を削減する技術や、業務の生産性の向上とセキュリティの強化につながる知見をもたらす付加的なデータを入手するアナリティクスなど、効率化を促進するスマート技術がいくつか搭載されています。たとえば、小売環境で、店舗が特に混み合う時間帯が平日の昼食時であることがアナリティクスによって判明した場合、店舗の管理者はこの知見を利用して、客の数が少ない時間帯にはリソースが無駄にならないようレジの数を減らし、繁忙時には増やして処理能力を高めることができます。

以上の事例は、導入と運用に必要なコストの観点から、パノラマカメラは従来型のカメラよりも有利であるだけでなく、スマートな各種機能によって潜在的な問題や非効率性を解決し、リソースをさらに節約できる可能性があることを示しています。施設内で起こった負傷事故の訴訟や、在庫品の窃盗や損壊による利益の逸失を回避するなど、施設の安全とセキュリティの確保を通じて、コスト節約効果にとどまらず、さまざまなメリットが得られます。

パノラマカメラの紹介とビジネスニーズに最適なパノラマカメラの選び方については、こちらの記事をご覧ください。

Axisのパノラマカメラの詳細について