製造業におけるビデオ監視のさまざまな利点

製造業は複雑なビジネスです。製造プラントには、セキュリティリスクが潜む場所がいくつもあり、順守すべき安全衛生ガイドラインも存在します。

ビデオが貴重な役割を果たす可能性がある製造業の現場は少なくありません。たとえば、駐車場、出入口、事務所エリア、納入・発送エリア、そしてもちろん、製造・組立が行われるエリアです。原材料の納入、高価値製品の保管と発送、機械の操作が行われる場所や、関係者以外は立ち入り禁止の場所は、ビデオ監視と関連テクノロジーの導入にふさわしい場所と言えるでしょう。

ビデオ監視は、製造業者に以下のような利点をもたらします。

  • 事業運営、機械設備、製品のセキュリティ
  • 従業員と訪問者の安全
  • 製造プロセスの監視
  • 業務プロセスの最適化

エンドツーエンドのセキュリティ

どのビジネスでもセキュリティは重要ですが、製造業の場合、プラントと機械設備、原材料、最終製品のすべてが高価値であるため、セキュリティはきわめて重要な懸案事項です。境界侵犯、侵入者、不審な行動があった時点でセキュリティ担当者にアラームを送信する効果的な周辺保護は、製造拠点の第一線の防御策として必須です。

製造業では、その性質上、従業員以外の人々が頻繁に拠点を訪れるため、駐車場、正面入口、納入・発送エリアへのアクセスの効果的なコントロールはきわめて重要です。従業員に関しても、施設の特定のエリアに立ち入る権限のある人もいれば、そうでない人もいます。ビデオと音声を統合したドアステーションを使用して確認を行い、必要な場合、権限のない従業員を排除することができます。

従業員の安全確保

職場における事故の可能性を最小限に抑えるために、あらゆる努力を払うことができるにも関わらず、やはり事故が起こるのは、すべての企業にとって残念な事実です。特に工業拠点、製造施設、工場では、環境の性質上、事故が起これば重大な結果になりかねません。労働災害による負傷や疾病は、莫大なコストも伴います。ある調査によると、EUだけでも、労働災害によって企業に生じる損失は年間4,760億ユーロに上ります。

ビデオ監視が、事故による損失の低減に役立つ可能性があります。事故発生後の調査に監視カメラの映像を利用し、雇用主と従業員のどちらに責任があるかを判別することができます。最終的な責任がどちらにあっても、ビデオに基づいて、より目立つ標識、防護壁、新しい機械設備など、再発防止策を検討することができます。

事故やインシデントの発生を未然に防ぐことは、雇用主と従業員の双方にとって、共通の利益です。そこで効果を発揮するのが、ビデオ監視による目に見えないメリットです。目立つように設置された監視カメラが窃盗の抑止策になるのと同様に、製造施設でカメラを目に付く場所に設置すると、従業員が適切な安全衛生規則を確実に順守するようになる可能性があります。実際、人間は、たとえそれがポスターに描かれた2つの目によるものだとしても、見られていると意識すると行いを正すことが数十年にわたる実験で確認されています。したがって、ビデオ監視が行われていることを労働者が意識すると安全な労働慣行に関する規則や規定が守られるようになるのは、理論上、当然と言えます。

生産工程の監視と操業の最適化

製造施設は、最大限に高められた生産力に依存しているため、機械設備が故障すると生産力に深刻な影響が生じ、顧客からの苦情や収益性の低下といった問題が生じます。ビデオ監視によって生産プロセス全体を監視すると同時に、サーマルイメージングなどの技術を応用して潜在的な問題 (機械の過熱など) を発見し、故障を未然に防ぐための措置を講じることができます。生産プラントを行き来する人や製品の流れをビデオアナリティクスで調査し、ほんの少し変更するだけで効率性が大きく向上する箇所を特定することもできます。

労働者の権利を尊重

職場におけるビデオ監視にはさまざまな利点があります。こうした利点は、どれも、ビデオ監視を使用する正当な理由ですが、ビデオの撮影については、従業員に一定の権利があることも忘れないようにしたいものです。これは、来るべきEUの一般データ保護規則 (GDPR) との関連で特に重要です。職場の監視に対するGDPRの具体的な影響については、この記事に良くまとめられています。GDPRがビデオ監視に及ぼす幅広い影響についてAxisが独自に作成したホワイトペーパーは、こちらでご覧いただけます。

ビデオ監視による明白な利点や、目に見えない利点も含めて、さまざまな利点を業種や企業規模を問わず、かつてないほど簡単に利用できるようになっています。ビデオ監視ソリューションを選ぶ際の主な検討事項については、こちらをご覧ください。Axisの中規模企業向けソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。