モノのインターネットによるセキュリティの改革

近頃は、雑誌でも、ウェブサイトでも、イベントでも、モノのインターネット (IoT: Internet of Things) という言葉が必ず目に入ります。あらゆるものを接続できる時代、接続するのが当たり前の時代になったようです。素晴らしいアイデアではありますが、セキュリティについて考えるとき、IoTは何を意味するのでしょうか?

オープンな標準技術

まず知っておくべきことがあります。セキュリティカメラやドアコントローラーなど、IPベースのビデオ監視デバイス、物理アクセスコントロールデバイスは、実はIoTデバイスだという事実です (余談ですが、Axisは20年前、世界初のネットワークカメラを発明し、発売しましたが、多くの人が、これが初のIoTデバイスだと評価しています)。このようなコネクテッドデバイスは、独自開発技術ではないオープンな標準技術を採用しているため、他のデバイスやソフトウェアと自由に統合することができます。

IoTの導入がさらに進むと、現在細分化されているデバイスのカテゴリを超越して、この統合が加速していくでしょう。1つの管理コンソールによる複数のシステムの管理には、非常に大きな可能性があります。煙感知器、ガス漏れセンサー、ビデオ監視、物理アクセスコントロール、ラウドスピーカー、空調・暖房設備、エスカレーター、エレベーターから窓のブラインド、照明のスイッチ、自動ドアにいたるまで、あらゆるデバイスをIoTで一括して管理することができます。

Internet of Security Things

セキュリティの観点から見ると、IoTは単にカメラだけの話ではありません。たとえば、Axisは2015年春、IoTラウドスピーカーと呼ぶのが最もふさわしい製品を発表しました。このラウドスピーカーは、あらゆるものと統合することができます。たとえば、電話番号をラウドスピーカーに割り当て、その番号に電話するだけで、アナウンスを行うことができます。

こんなことがどうして可能なのか、簡単に説明しましょう。このラウドスピーカーは、信号伝送、復号、増幅、マイクロフォン、スピーカーのすべてを1台に搭載した自己完結的な製品です。アナログ式のラウドスピーカーとは異なり、外付けのアンプは必要ありません。PoE (Power over Ethernet) をサポートしており、外部電源装置も不要なため、既存のセキュリティシステムの拡張として、非常に柔軟に設置することができます。その結果、たとえば、現場に警備員を派遣しなくても、望ましくない行動を音声によってやめさせることができます。

これは、新しい世代のセキュリティ製品のほんの一例に過ぎません。おそらく、Internet of Security Thingsと呼ぶのが最もふさわしい時代が始まろうとしています。オープンな標準技術により、今までは別扱いだったカテゴリのデバイスを一括して使用し、1つの管理コンソールからアクセスすることができます。その結果、セキュリティシステムがさらに使いやすくなると同時に、より高度な状況認識を行い、事象の概要を把握することができるようになります。